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第66話

何度も何度も、触れ合うだけのキスをする。 それから、我慢できなくなって舌を伸ばして、百目鬼の唇を舐めると今度は百目鬼の舌が口内を舐める。 舌を絡ませるけれど、奥まで入ってきた百目鬼の舌が俺の舌の根元まで舐めて吸う。 舌が奥まで入ると息をすることも難しい。 だけど、求められているみたいで興奮する。 頭を大きな手で動かない様に抱えられるようにされて、舌を舐られる。 口の中がいっぱいになると鼻で息をするのも無理で息を吸おうと手で百目鬼の胸板を押すのにびくともしない。 ドンと大きくたたいてようやく一旦離れる。 たたいた胸板の筋肉の厚みが羨ましい。 はあ、はあと大きく息をして 空気を吸い込む。 だけど、まだ、もう少し。 「もう一回――」 言葉は最後まで言えなかった。 押し倒されて、また口付けをされる。 歯列を舌で撫でられ、上あごをぬぐうみたいに舐められる。 唾液を飲まされるゴクリという音がやけに響く気がする。 口の中を百目鬼の好きにされるのが気持ちいい。 強く舌を吸われると舌が痺れる。 薄目を開けると、百目鬼の顔が見える。 目をつぶっているのに、興奮しているのが分かる。 色気が駄々洩れしていて、思わず口元が緩んで涎がこぼれ落ちる。 好きがあふれて、もっと、もっとと思ってしまう。 俺も百目鬼を味わいたくて、俺も百目鬼の舌を舐める。 唾液があふれる。 キスだけなのに、ひどく興奮する。 何度か角度を変えるために顔を離しながら、唇を何度も重ねる。 時々するちゅうという音が生々しくて頭が興奮でぼやけていく様だ。 理性が少しずつぐずぐずに崩れ落ちていく。 百目鬼が唇を離した瞬間「あっ……。」というもの欲しそうな声を上げてしまう位にはもうぐずぐずだ。 強く吸われすぎて少し舌が痺れている。 唇が少し腫れぼったいきがする。 欲望を灯した瞳が俺を見下ろしている。 「あーあ、これお互い一回抜かないと風呂にもいけねえな。」 別に残念でもなんでもないのにそんな言い方をしてしまう。 実際何も残念に思ってない。 単に責任を百目鬼に押し付けるためだけに発した言葉だ。 「悪い。」 それなのに百目鬼は俺の胸あたりに顔をうずめてそう言う。 「中入れるのは夜にするから……。」 もうちょっと付き合ってくれと俺の既に固くなっている昂りを服の上から撫でる。 それだけで、感じて体がビクリと震えた。

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