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第2話

クラスメイトがプリントを仕上げ古賀先生に提出して帰っていく中、俺は最後の1人になるのをじっと待った 授業が終わる20分ほど前になると俺以外のクラスメイトは全員プリントを終わらせ、教室には古賀先生と俺の2人きり 「…なんか分からないところ、あるか?」 古賀先生が気まずそうな顔で俺に話しかける 「あ、の」 俺は意を決して古賀先生に問いかける 「…先生は俺の運命の番、ですよね」 古賀先生は渋い顔をしながら俺の顔をじっと見つめる その間も、背筋にゾクゾクと甘い痺れが走っていた 「…だろうな」 「やっぱり!」 俺は嬉しくなった 『運命の番』 一生に一度、会えるかどうかの奇跡の相手 社会的弱者であるΩに産まれたことに絶望を覚えたが、運命の番という存在を知ってから長年夢見た出逢いだった 「喜んでるところ悪いが、俺はお前と番になる気はない」 「…え、」 「俺は結婚していて子どももいるし、今更新しい番を作る気はない。まして、自分の生徒に手は出せない」 先生の言葉を理解できなかった いや、したくなかったのかもしれない Ωと診断されてから運命の番に会うことを糧に生きてきた もし奇跡が起きて出会うことができたなら、幸せになれると思っていたのに その後逃げるように寮に帰り夜通し泣いた 次の日真っ赤に腫れた目で登校した俺に周りはざわついていたが、気にもならなかった 「ねえねえ」 声をかけられ、俯いていた顔を上げる 「うわ、すごい顔。どうしたの?」 「悩んでるなら話聞くけど」 そう言って声をかけてきた2人の可愛らしい顔をしたクラスメイト 首には黒い首輪が着けてあり、俺と同じΩなのだろう 泣き腫らした顔の俺を見かねて声をかけてきたようだった 「…」 普段だったら人に相談することはない けど、今回はこの気持ちを誰かに話して発散したかった

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