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第8話

「しばらく会いに来れなくなる」 先生に突然そう言われ面食らう 毎日会いに来る義務はないので、そんなことを伝えなくても気にしないが一応頷く ふと、先生が俺に手を伸ばしてきたので慌てて避けた 「触っちゃだめ!」 あいつらに抱かれた俺の体は汚れている 俺に触ったら先生まで汚れてしまう 先生は避けられた手を見つめ、寂しそうに笑うと保健室を出ていった 先生の寂しそうな笑みを思い出し胸が痛んだ 俺は先生を笑顔にさせることはできない 宣言通り先生は毎日通っていた保健室に姿を見せなくなった 俺は真壁先生と2人、課題を進める 先生が来なくなって1週間が経った頃、俺の心が修復する前に発情期が来てしまった 欲を発散させようと無意識に自分の体を弄り、フラッシュバックして嘔吐する 欲も吐き出せず、体力も奪われ俺の心身はあっという間にボロボロになった 「小川」 ふらふらになった俺の名を呼ぶ、先生の声 熱に浮かされた幻聴だろうか 「小川」 頬を軽く叩かれ、目を合わされる そこに居たのは確かに先生だった 頭の熱がスーッと引き、急に冷静になった 「だめ、だめ!見ないで、触らないで!」 欲に溺れる浅ましい姿を、あいつらに犯された汚い体を、先生に見られたくなかった 必死に体を隠し、先生の胸を押しやり距離を取ろうとするが先生は離れてくれない 半ばパニックになりもがく俺の手を取り、先生は俺に口付けた 思いもよらぬ口付けに思考が停止する 押しやっていた手からも力が抜けると、先生は指一本一本を絡めるように手を繋いできた

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