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最終話
目を覚ますと、やはりそこは保健室だった
でも以前と違うのは隣に先生が居ること
俺が起きたことに気づいた先生は、優しく微笑んで額にキスを落としてくれた
「体、辛くないか」
「大丈夫。…先生は?」
「ん?」
「…俺の体、嫌じゃなかった?」
聞いたものの先生の返答を聞くのが恐ろしくなり俯く
「何回中に出したか教えてやろうか?」
欲を孕んだ先生の声に、先程まで交わっていた箇所がずくんと甘く疼いた
「…大丈夫」
先生はフッと笑うと、俺を抱き寄せる
そして俺の前に薬を差し出した
「これ、飲むか」
それは以前飲んだものと同じ薬だった
前回は躊躇わず飲めたもの
でも今回は、
「…先生は、子ども要らない…?」
震えそうになる声を誤魔化し、勇気を振り絞って先生に聞いた
先生にはすでに子どもがいると言っていた
俺が先生の子どもを孕んだら、迷惑だろうか
「…そりゃあ欲しいけど、まだ学生だろ。青春犠牲にするのもなあ」
「…俺、欲しい」
「え、」
「先生の赤ちゃん」
先生の目を見てそう告げると、先生は真剣な顔になり僕に言う
「…発情期中に全部中に出したから、これ飲まなかったら確実に妊娠するぞ」
「うん」
「…学校、通えなくなるぞ」
「うん」
「…本当に良いんだな」
「うん」
先生はため息を吐くと、薬をポケットにしまった
「楽しみにしてる」
まだ膨らみのない俺の腹を撫で、幸せそうに笑う先生に俺も自然と笑みが溢れていた
『運命の番』は物語の中の話だ、と馬鹿にされてきた
Ωが幸せになるわけがない、と見下されてきた
そんな彼らに伝えてやりたい
そして他のΩに希望を示すのだ
運命の番も、幸せなΩも確かにここに存在している、と
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