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第3話

 舌を差し入れると、彼も舌を差し出して来た。  思えば最初に出会った時から、彼は俺に対してとても積極的だ。  俺はどんなに頑張っても、そんなにいい男じゃないと思う。子供までいるし。  学歴だって平凡だし金持ちでもない。  それなのに、彼が俺に対してこんなに積極的なのは嘘みたいだ。  でも俺は彼を信じようと思う。『本気』と言って、俺をもう一度恋の世界に連れ出してくれた彼だから。 「はん……っ、……むむ……」 「ん……」  声が漏れてどうやら彼も興奮しているように見える。勿論、俺ももう興奮している。  彼の薄いTシャツの身体を抱き寄せたら、ジーンズの留めてあるボタンを外して、窮屈な中身を開こうとした。 「……玄寿さん、ちょっと待って……」  俺がピタと手を止めると、有季は膝立ちになり、太腿の上くらいまでジーパンを下ろした。  膝を肩幅くらいまで開いて、腰の上からゆっくりだ。  そして恥ずかしそうにニコッと笑った。「続けて」という感じだ。  それにしても何てサービスだ。中の濃い色の下着姿は股間が、俺と同じようにエレクトしている。  俺がごくりと唾を飲んで手を伸ばそうとすると、有季が「玄寿さん……」と呟く。 「な、なに」俺は最大限の大人の余裕をもって聞く。すると彼は少し躊躇うような表情で、 「ぼ、僕こういうの初めてだから、恥ずかしいです……」  あー……。また俺の股間に直球だ。俺の股間がズキンと痛い。  まだ有季は言う。 「で、でも、初めてだけど……して欲しいんです……」  きっと神様は、これまで頑張っていた俺にプレゼントをくれたのだ。  俺は震えそうな手で彼に触って、彼も俺をゆっくりと触った。  ……ああー……。気持ちがいいことと言ったら……。  ぎこちない彼の手がたまらない。俺は自ら動きそうになる腰を抑えて、あまりにも早くいかないように我慢した。  有季は、俺の目の前で悶えている。 「あ……げ、玄寿さん……、ぼ、僕、……イキそうです」  勿体ない思いがしながらも、素直に有季をイかせた。 「あっ……!」  俺の手の中で出し切ってから、弛緩する有季。  彼を、寝そべった俺の上に寝かせてみた。 「……玄さん……」 「ふふ……」  まだエレクトしている俺の上に、うつ伏せで身体を乗せた。  そして、そのままキスをする。吸っても舐めても、有季の舌は柔らかい。  それから、膝までジーパンを履いたままの有季の太腿に、俺のまだ固いものを挿し込んでみる。 「あ……玄さん」  腕立て伏せのように上体を起こす有季は恥ずかしそうだ。俺はそのまま、有季の柔らかい部分に屹立(きつりつ)を挿し込み、擦らせてみる。  いわゆる、素股まがいのことだ。 「あ……あは……くすぐったい」 「うんっ……」 「あ……あ、でも、玄さんはイきたいんですよね?」  俺のことを心配そうに見る有季に、俺は何とか余裕の笑みを浮かべ、俺のあと少しで発射するものを引き抜いた。  最初からあんまり変態だと思われても困るじゃないか……。  それから、彼の引き締まった下腹部を撫でていると……。 「玄さんもイって……」  そう言う有季の手が、俺のを両手で包んで撫で始めた。  その体勢はダメだ、顔に出してしまう。 「ゆ、有季……もうイくから」 「はい」  いやいや、はいじゃないと俺は焦って自分の手を有季の手に被せた。 「うっく……!」  自分の掌にどくっ、どくっと出した俺に、何だか不満げな有季だ。  ああー……、何だその顔は……。  これ以上俺を煽らないでくれ。大人の余裕がなくなってしまう。 「玄さん、好き」  熱っぽい目で俺を見てそう唱える有季に、俺の方が魔法にかかってしまいそうだ。 「俺も好きだよ、有季……」  もうダメだ、俺はこの子を離せない。

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