50 / 124

第50話 組み手勝ち抜き戦

体術の勝者が4人残ったところで、僕たちは一ヶ所に集められて1組づつ皆の前で試合をすることになった。 僕が見たところ、体格の良い生徒、武術で有名な家出身の生徒とかが残ってるかな? あ、それ僕もそうだ笑。お父様は白騎士団長だった。 アーサー様とキース様は戦線離脱したけれど、僕が残ったことに凄く喜んでくれた。 鬼ごっこの星とか言われたけど、なんぞそれ。ウケる。 僕は最初の組み合わせ。あわー、結構大きな子だなぁ。 ウィード様はいつも僕の事ギラギラした目で見てくるから苦手なんだよねぇ。 わっ、思い切り飛びついてくるじゃないの!僕はちょこまかとウィードさまの魔の手をかわし続けた。 ウィード様の手が僕の腰を掴んだ瞬間、僕は思わずゾクッと震えてしまった。 僕と目が合った瞬間、ウィード様は顔を真っ赤にして固まってしまったので、思わず足が出てしまって地面に転がったのはウィード様。 …なんかゴメンなさい。ウィード様は負けたのに凄く満足そうな顔だったけど。 僕は晴れて決勝進出、本当に⁉︎何かクラスメイトもザワついてるよ。わかるー。僕もそう思うよ。 もう一組は予想通りというか、ユア様と辺境伯のジュード様。 わぁ、これって事実上の決勝戦じゃない?二人とも体格も良いし、武闘派というか。見逃せないよねコレは。 後ろのアーサー達がボソボソ話してたけど、僕は呑気にこの戦いにワクワクしてたんだ。 『これマジで負けられなくない?今後の影響ありすぎでしょ。リオン様の争奪戦まんまだもんね。 しかもリオン様は強い男が大好物だし。』 チラッと聞こえたんだけど、僕、男は食べません!人間は食べるもんじゃありません!何言ってるのかなー、まったく。 ユア様とジュード様の組み手が始まった。二人とも気迫が凄すぎるんですけど。 しかも周囲のクラスメイト達まで固唾を呑んで見てるんですけど。あれ?これって授業だったよね? 二人ともほとんど互角だった。白熱した試合はなかなか決着がつかなくて、ギリギリでユア様が勝った。 もうね、割れる様な大歓声。やっぱりみんな血気盛んな男の子達ってことだよね。 「二人ともお疲れ様!もう凄い試合で僕も興奮しちゃったよ。」 「どうしても勝ちたかったんだけどね…。あーあ。悔しいなぁ。…ね、お疲れ様って事でリオン様抱きしめさせて?」 ジュード様はこう言うと僕をぎゅーっと抱きしめた。 僕は突然でなす術がなかったけれど、怖い顔したユア様が直ぐにベリっと僕らを引き剥がした。ビックリしたよ。 うん、周囲の野太い声は聞かなかった事にしよう…。 意外にみんな声が低いんだね…。 さてユア様と決勝だ!最後まで頑張ろう!

ともだちにシェアしよう!