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第83話 ユアと僕の婚約生活※
「麗しの婚約者さま、今日は研究室へ行ったのかい?」
燻るアンニュイなグレーの瞳をひそませて、顎を指先でくすぐりながらユアは僕の顔を覗き込んだ。
最近のユアは妙な色気が出ていて、僕はじっとりと見つめられると身体の奥が痺れるようだ。
僕は何だか落ち着かない気持ちになって、ユアの唇から目を離せなくなってしまう。
ユアはクスリと笑うと待ちかねた僕に口づけしてくれた。
週末は閨のレッスンが始まってるユアは、こうして平日は毎日部屋に来て僕の身体を熱くしていく。
ユアも熱くなっているはずなのに、僕が焦れるのを見て楽しんでいるのか熱い口づけだけで部屋を出て行ってしまうんだ。
一方、僕の閨のレッスンはお父様とお兄様の話し合いで、講義的なものは専門家に実技的なものはお兄様が手ほどきする事になったらしい。
クラスメイトたちも、ちらほらそんな話をしてるので、何となく高等院の一年生は浮ついた空気が漂っている。
ユアと僕は皆の知るところの婚約者同士なので、そんな中でイチャイチャするのは憚られて僕は益々焦れる感じがして、落ち着かないんだ。
なのに毎晩ユアは僕を熱くさせるだけで発散させてくれない。…何だかユアが恨めしいよ。
今夜もユアは僕の部屋に来た。
ふふふ、今夜の僕はちょっと違うんだ。最近のユアへの鬱憤?を晴らしてやろうと考えてた。
ユアが部屋に入ると、僕はユアの手を引いてベッドに押し倒した。
「最近のユアは僕に意地悪だよね?だから今日は僕がユアに意地悪する日。」
僕は胸を高まらせながらユアに跨って、興奮して増える唾液を抑えようと唇をぺろりと舐めた。
僕の唇を凝視するユアの首筋をやわやわと唇で喰みながら、僕はシャツの上からユアの胸を撫で回した。
吐息を漏らしたユアの胸の立ち上がりを強く摘んで、潤んだユアの瞳を覗き込んだ。
「ユア、気持ちいい?気持ちよかったらそう言って。」
「…リオンが口づけもしてくれたら、もっと気持ちいい….。」
僕は嬉しくなって身体を伸ばしてユアを愛おしく口づけた。
婚約してから、僕はユアに口づけるのがもっと好きになった。
気持ちよさだけじゃなくて、身体の奥から疼くような愛しい感情が溢れてきてたまらない。
僕は口づけながらシャツの中に手を入れて直接ユアのコリコリとした乳首を指先で楽しんだ。
ユアが時々ビクッと動くのがたまらなく嬉しくて、一方で僕の身体はどんどん熱くなってしまって、胸が痛いほどだった。
息を弾ませながら、顔を顰める僕にユアは微笑んで言った。
「リオンの身体…、熱いな。あぁ、リオンを可愛がりたいのに。こんなにずっと我慢してるのに、酷い婚約者だ。」
僕はユアの上に身を起こして言った。
「ユアは勝手に我慢していて。僕が沢山可愛がってあげるよ、僕の愛しい婚約者様?」
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