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第93話 セブのお小言
僕の大好きな香りを感じて、ふと意識が上昇した。
目の前には身動きした僕を抱きしめてベッドに横たわるお兄様の、アメジスト色の瞳がふわりと綻んだ。
「リオン…。目が覚めたかい。まだ朝も明けてない。感じすぎて身体が怠いだろう?ゆっくりお休み。」
僕は急に胸がいっぱいになって、お兄様に擦り寄った。
「…僕、おに…、リュードと繋がれて幸せ…。」
お兄様は甘い吐息をつきながら、僕の髪の匂いを吸い込んだ。
「私も幸せだよ。…あぁ、リオンが可愛いすぎて、めちゃくちゃにしたくなってしまう。はぁ。」
「リュード、…僕の子宮芽は花開き出したのかしら?」
お兄様は顔を片手で押さえながら、呻いた。
「…リオン。その事だけれど、実は正確にはまだ子宮芽にお兄様のものが届いていないんだ。
まだリオンのアーヌスは狭くて慣れないから、いきなり奥に入るにはリオンの負担が大きい。
これからじっくり私たちが慣らしていくから、近いうちに奥に届く様になるよ。
リオンもまだ学生で、子供を産むには早いし、準備期間はゆっくりで大丈夫だろう?」
僕はお兄様の話を聞いているうちに、どんどん顔が熱くなるのを感じた。
「リュード!僕、もう眠いっ。」
「ふふふ、リオン、身体が熱くなってしまったかい?…さあ、口づけだけして眠ろう。」
お兄様は蕩ける笑みを浮かべると、真っ赤になったであろう僕の顔を唇で啄んでからゆっくりと甘い口づけをした。
もうっ、これじゃ眠れない!
「リオン様、起きてください。そろそろ起きて下さいね。」
懐かしいセブの声で目覚めた朝は、身体中が痛んだ。
僕がギクシャクと動くとセブは呆れた顔で僕を湯舟に放り込んだ。
「まったく、リュード様も加減がない。まぁ随分待っていらしたからしょうがないのでしょうが。
今日は登城するって分かってらしたでしょうに。…わざとですかね。。。
さぁ、リオン様もこれで身体もほぐれた事でしょう。リュード様はご自分のお部屋で身支度してらっしゃいます。」
僕はセブの居た堪れない小言に顔を赤らめて小さくなって、身支度を手伝ってもらった。
鏡に映る僕はいつもより輝いて見えた。
「僕ってこんなに肌艶良かったかな?」
「…リュード様に愛されましたから、肌艶も良くなりましょう。
王宮で迂闊な事をおっしゃられません様に。わかりましたか?」
「…はい。ごめんなさい。」
何か、僕、セブに辱められてる⁉︎
僕は恥ずかしいのと眠いので、小さくため息をついたのだった。
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