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第122話 膨れっ面と喜び

僕が目覚めたのはお昼の時間だった。 リュードに甘やかな蕩けるような美しい笑顔で優しく抱きしめられて、ゆっくりと覚醒した僕は声が出なかった。 慌てたユアが口移しではちみつ水を飲ませてくれたけれど、何もそのあと貪らなくてもいいと思う。 僕は昨日の二人のやり過ぎな初夜に、呆れるやら、恥ずかしいやらで膨れっ面になるしかなかった。 後でセブに怒ってもらわないと…。 でも僕も昨日のことを思い出すと、嬉しいような、恥ずかしいような、心臓がドキドキと早くなって死にそうなんだ。 僕が顔を赤らめていたようで、リュードはちょっと怖い顔で言った。 「リオン、そんなに扇情的な顔をしたら、私とユアが懸命にリオンを貪らないように我慢してるのに、努力が無駄になってしまうよ。 せめて夜まで休まないと、リオンの身体が持たないだろう?」 僕は一瞬で青ざめたに違いない。今でさえ身体中がギシギシいうし、何なら多分歩けないし、後ろも前も熱っぽいのに…。 いま、今夜の話をしたの? 「リュード、ムリです。僕限界です。壊れちゃいます。」 僕が焦って言うと、隣で聞いていたユアが僕の髪を撫でながら言った。 「リオンは知らないのかい?これから食べる食事に精力剤が入ってるし、ちゃんと初夜用の香油や入浴薬液もある。 心配しなくても夜までには元気になるはずだよ?」 え? この人笑顔でサラッと怖いこと言いました。いつの間にワンコのユアが狼になっていたんでしょう! 「…ユアとリュードは用意されたご飯食べちゃダメ。だって精力つけたら、僕また二人に貪られるんでしょう?」 僕が二人を睨むとショボンとするユアの隣でリュードはニコリと微笑んで言った。 「大丈夫。今夜はちゃんとリオンの身体の事を考えて、ゆっくり長く頭がふわふわする様な素敵な夜にするつもりだよ。」 うん、全然大丈夫じゃなさそう…。 僕はすっかり諦めてリュードの差し出した腕の中に抱かれたんだ。 精力のつく食事の手配をしたセブに、僕は二人の所業を愚痴ることが出来なかったけれど、察してくれた様子だった。 僕が昼寝をしてる間にセブが二人に説教してくれる事を強く願いながら僕はあっという間に意識を手放した。 その日の夜は、僕が思いの外元気になったこともあったし、二人も多少反省したようで、僕の希望に沿った夜生活になった。 「結局手加減しようとしても、快楽に落ちたリオンが強請ってくるからタチが悪いんだ。」 って次の日にユアに怒られたけれど、僕ねだってないよね⁉︎ うそっ⁉︎

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