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第11話

「…聞いてもいい?」 そう切り出した恭平さんの言葉に、佇まいを直して恭平さんに向き合った 全てを話す覚悟を決めて 「彼とはどういう関係?」 「…幼馴染」 「彼とは、その、」 「…セックスしてた」 「付き合っていたの?」 静かに首を横に振る俺に、恭平さんは顔を顰める 「…セフレってこと?」 「…そんな感じ」 「俺と会った時は?」 「…渉が、彼女を作って、」 「寂しくなってSNSで出会った人と関係を持った、ってことか」 恭平さんはソファに体を預けると長いため息を吐いた 手で顔を覆っているためその表情は見えない 「…渉くん、のこと好きなの?」 「…うん」 「…俺と付き合った時も、好きだった?」 「…うん」 「…今は?」 今、俺は渉のことをどう思っているのだろう 恭平さんと付き合い、恭平さんと過ごす時間は渉のことを忘れさせてくれた それなのに、久しぶりに渉に会っただけで激しく揺さぶられた俺の心 それはつまり、 「…好き、なのかも」 恭平さんは苛立ちを隠せないようでダンっと机を思い切り叩いた 普段は見せない恭平さんの怒りを露わにする姿に驚く俺を他所に、恭平さんは続けた 「…アルくんは、彼の元に戻りたい?」 「…え、」 「…今なら、手放してあげる。君が去っても俺は追わない」 「…」 「でも、もし彼を思いながらでも俺を選ぶなら。その時は、」 逃してあげない、そう言う恭平さんの瞳には隠せないほど嫉妬の色を見せていた 恭平さんは俺を車で家まで送ると、名残惜しそうに頬を撫でキスを落として帰っていった 「サーシャ」 自室のドアを開け、掛けられる声 そこにはいつから居たのか、苛立ちを隠さず俺のベッドに腰掛ける渉の姿があった 「…渉」 「あいつと寝たの?」 「…何、言って」 「俺じゃ物足りなかった?」 「渉、」 「言ってくれたら俺がまた抱いてやったのに、」 「渉!」 畳みかけるように言う渉の言葉を遮り名前を呼ぶと、渉はようやく口を閉ざした 「…何、言ってんの。渉、彼女居るじゃん」 「言わなきゃバレないだろ」 「っ、ふざけんな。浮気なんて嫌だ」 「じゃあ別れる」 「は、」 「百合と別れればいいんだろ」 呆然とする俺を他所に、渉は電話をかけ始める 別れよう、と電話の相手に告げると泣き叫ぶ女の声が俺のところまで聞こえてきた 渉はまだ話している相手の言葉を無視して電話を切り、俺に向き合う 「別れた。これでいいか」 「…なに、して」 「浮気は嫌なんだろ?」 「どうして、そんな、」 「あいつにサーシャを渡したくない」 血走った目で俺に迫り、俺の服を脱がしていく渉 混乱する頭で抵抗するがその度に好きだ、サーシャと告げられ拒む手から力が抜ける 恭平さんに愛され開発された体は渉の乱暴な愛撫にもすぐ反応し、変わった俺の体に渉は苛立ちを露わに強引に体を繋げた 揺さぶられる視界の中、頭の片隅で優しく微笑む恭平さんの顔が浮かんだ 俺が好きなのは、

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