「物凄く可愛い子紹介するから食べさせてくんない？」 「はぁ！？そんなに可愛いんならお前が食え」 「えっ、だってコッチのが明らかに可愛いし」 「なら人に紹介すんなよ」 って、だからなんでさっきから二人共コッチ見るんだよ？ 「俺ほんっと限界なんだって。少しだけなら良いだろ？」 「ていうか親父の少しの基準ってなんだよ？」 「ぇ？んなの最後迄1回に決まってんだろ？」 「それ完全少しじゃないから」 「1回だけだから少しだろ？」 「意味分かんねぇし。親父の事だから1回許したら1回も2回も変わんねぇだろとか言って何度も手ぇ出すに決まってる｣ ｢流石よく分かってんな｣ あの、そろそろ言い争い止めません？ 内容理解出来ないしさ？ 「切羽詰まってんなら死ぬ気で相手探してこい。この際見合いでもしてみたら？」 クシュンッ。 「あ、あの～」 「なんだ？」 「俺、服着ても良い？」 話の内容が理解出来ず放心していた俺。 裸なのに気付き声をかけた。 クシャミ出たしね？ 「ダメだ。そのままでいろ」 「なんで？」 「「んなの目の保養になるからに決まってんだろ｣」 えっ、決まってんの！？ ていうか、声揃ってるよ綺麗に。 「兎に角、コイツだけはダメだ。まぁ、俺に殺されたいんなら話は別だがな？」 「物騒だな。分かったよ。今日の所は我慢してやる」 なんか怖いな2人共。 スッゲェ殺気立ってるしさ？ 「何寝惚けた事言ってんだよ。明日も明後日もその次もずっと、コイツは誰にも触らせねぇ。特に親父にはな？分かったらサッサと出て行けよ、この部屋から」 えっ、喧嘩？ これって親子喧嘩なのか？ 「よく言うよ。何処の馬の骨かも分からない男に先に味見されたくせにさ？」 「ていうかさ、アレどっから侵入したワケ？」 よく分からないが、アレって魔法使いの事だろうか？ 「さっきのは魔法使いで、魔法で現れたんだよ」 親切に教えてやったのに 「はぁ！？お前頭大丈夫か？」 「そんな非科学的な物あるワケねぇだろうが」 激しくバカにされた。 なんだよ2人して。 俺嘘なんて吐いてないのにさ。 ぷううぅーーーっ。頬を膨らませぷんぷん怒った。 「なんかグダクダしてきたから俺部屋帰るわ」 「そうしろ。で、当分はこの部屋に近付くな」 「覗きは？」 「止めろ変態。訴えるぞ？」 「あ～もう、分かったよ。行きゃあ良いんだろ？」 ポンッ、俺の肩に手を置くと部屋を去って行った義理の父。 なんか凄く同情の籠った目で見られたが、気のせいだよな？ 『ちょっ、何？』 これは一体何なんだろう？ 裸のままな俺。 入浴や着替え以外で全裸になるのは滅多に無い。 何故かベットに組み敷かれ抑えられているせいで身体動かせないし、嫌な予感ばかりする。 取り敢えず、何か着せて欲しい。 ニコニコニコニコ上機嫌な孝治。 一体今から何が始まるのだろう。 「あの、何で服着ちゃダメなんだ？で、何故ベット？」 別に寒くはないんだが、せめて下着位は欲しい。 恥ずかしいし、情けないから。 「なぁ、さっきアイツに何された？」 アイツってあの変人の事だよな？ さっきってアレか？ 「言いたくない」 「言えよ」 って、言えるかボケぇえ。 男に触られて変な声出したなんて屈辱的な事、口が裂けても言えねぇよ。 ましてやイかされたなんて最悪だ。 「へぇ～。言わないって事は庇ってるワケ？」 はい？ なワケないじゃん。 俺そこ迄お人好しじゃない。 「触られて惚れた？」 はぁあ！？ 「パッと出の奴に漁夫の利される位なら、無理矢理俺のにしてやるよ」 えっと、何それ？ ワケ分かんないぞ？ 「出逢った瞬間からお前は俺のって決まってんだよ」 えっ？ 「もう二度と他の奴なんかにふらつかない様、誰が主人か躾なきゃな」 …………はい？？？ 俺のって、誰が誰の？ ふらついたっていつ、誰に？ 躾るってどういう意味だ。 なんかスッゴクワケ分からないぞ。 理解不能。 「えぇっと、躾って何？」 「んぁ？んなのも知らねぇのかよ。まぁ記憶喪失だから仕方ないか」 いや、記憶は関係ないと思います。 「躾とはな、飼い主の言う事を聞かない悪いペットを従順に調教する事だ」 あの～孝治さん。この場合の飼い主とペットって誰ですか？ 「本当は処女だから優しくしてやりてぇが、今回はお仕置も兼ねてるからな」 処女？ って、誰の話してんだ？ 今この部屋女の子居たっけ。 居ないよな。 「無理矢理してトラウマになったら後々面倒いから痛くはしねぇが、スッゲェ気持ち好くしてやるよ」 ん？？？？？？ あの……そのセリフ誰に言ってるんだ？ さっきから女の子に言ってる様に聞こえるんだけどこの部屋女の子居るのか？ はっ！？まさか魔法使いが居た位だから幽霊とか？ 慌てて背後をキョロキョロしたら 「何してんだ？」 訝しげに睨まれた。 「えっと、幽霊？」 「馬鹿か？」 『なんかムカつく』 どうやら幽霊と会話してたワケではないらしい。 て事は、今迄の会話って全部俺に言ってたのかぁ！？ って、ちょっ、待て。 これは一体どういう事だ？ 理解出来ない。