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第39話 心配ご無用

「ふ、服……」  自分で脱ごうとする静の手を捕まえて、「へーき、俺が脱がすから」って言ったら、真っ赤になった。その頬っぺたにキスをして、唇にもして。 「メガネ外すぞ」 「……ぁ」  邪魔じゃん? 脱ぐのに。だから外して、畳んで、そっとベッドの頭んとこに置いた。 「上に置いたからさ」 「は、はぃ」  服を脱ぐのは初めてだった。抜き合いの時は、邪魔にならないようにってただ捲っただけだったから。 「……穂、穂沙、クン」  なんだっけ? 「っ……っ……ンっ」  後悔しない? だっけ。 「っ……ンっ」  女の子じゃないよ? って心配してたんだっけ?  「穂沙クンっ」  途中でやっぱりできませんってならない? って、不安だったんだっけ? 「っンン」  その全部の心配も不安もいらなくね? 「あ、あの……へ、き……そう?」 「……」 「その」 「腰、上げて」 「!」  戸惑う静の腰に手を敷いて、そのまま抱えるようにしながらズボンと下着を一緒くたに下ろすと、静のがぴょんって飛び出た。ちゃんと反応して、硬くしてたのを見られて、知られて、狼狽えた静が腕の中で俺にしがみついた。 「っ」  何これ。あったま痛い。そんくらい、身体が熱い。  裸になった静がベッドで困り顔で悶絶してる。けど、まだ無理とか止めての一言は出て来てないから、そのまま肌にキスをした。ちゃんと身体をくねらせて、だめダメって小さな声で呟いてる。ダメって言ってるけど、手は押し退けようとしない。しがみ付いて、離そうとしない。だから、その白くて薄っぺらい身体に覆い被さりながら、そのおへそんとこにキスをした。 「んんんっ」  そのままキスを白い肌に何度もして。 「ぁ……」  小さな乳首を口に含んで、舌で舐めて触れた。触れながら、しっかり硬くなってた静のそれを握ると、大慌てでジタバタと手を動かしてる。その手を片手だけ指を絡めるように繋いで、キスをした。 「ヤバ……」 「! あ、あのっ、穂沙クン」 「恥ずかしくねぇよ。俺もだし」 「……ぇ」 「あっつ……」  静の体温が熱くて、キスで触れてるからかな、喉奥が熱くてさ。 「……ぁ、穂沙クンの」 「すげ、はち切れそ」  苦笑いが溢れるくらいズボンの中でパンパンで、思いっきりズボンの前を突き上げてる。  熱くて、上の服がすげぇ邪魔だった。着ていたロンTもニットも全部いっぺんに脱いでベッドの脇に放って、それでも喉奥のとこは熱くてたまらなくて、首筋に滲んだ汗を手の甲で雑に拭った。  女の子とさ……したこと、あるよ。  彼女、まぁとりあえずいたし。  だから、したことある。 「よかった……」 「よくねぇよ」 「え?」  したことあるけど、これはしたことない。こんな、まだ触れただけなのに、こんな初っ端から熱くてたまらなくなったのなんて、なかった。 「ちっとも良くない」 「ぇ……」 「ヨユーねぇよ……」 「え? 穂沙クン?」 「こんなに……」  白い肌が眩しかった。しっとりしてて、唇で触れても、指先で撫でても心地良かった。ずっとこうしてたいとか、初めて思った。 「っ! あっ、あのっ、乳首っはっ、しなくて、いいよっ」 「? あんまだった?」  手で少しだけ押し返されたからパッと離れると、キュッと唇を結んだ静が俯く。 「その、そう、じゃなくて……な、ぃから」 「?」 「お……っぱい……つまんない、でしょ?」 「……」 「女の子みたいに……」 「ばかちん」 「!」  ピン! ってちょっとだけ痛くない程度に額のとこを指先で弾いたら、びっくりした顔をして、いつもは重たげな前髪で隠れてる額を手で覆った。 「むしろ、静の口からおっぱいとかパワーワード聞かされて、そもそもヨユーがないつってんのに、煽んなよ」 「あ、あおっ、っ!」  女の子のとは違うからと言った静の胸にキスをして、小さくてピンク色をした粒を口に含んだ。含んで、唾液で濡らして、それを指で撫でながら反対側の乳首にもキスをした。舌で、指で撫でると小さな声を上げてる。 「ぁっ、ぁっ、ぁ」 「気持ちい?」 「わ、かんな……くすぐったいのと、ムズムズ、する」  つまんないわけねぇじゃん。 「ぁっ」  つまんないどころか。 「あ、あ、あっ」  ヤバいくらいだよ。 「ゆっくりやるけど、しんどかったらすぐに言って」  ローションを手のひらに。そんで少しあっためて、それから。 「!」  ヤバいんだ。肌にキスしただけで頭ん中がふわふわするくらい。だから、少し早いかもしんないけど、今のうちに、頭がバカになる前に、勉強したことがすっ飛ぶ前に指で慣らさないと。 「んっ……っ、っ」 「無理、すんなよ?」 「っ」  ローションで濡らした孔を指で何度か撫でて、けど、そこはキュッと硬くなるばっかで。 「ど、しよ、入んな、い」  最初っから上手くなんてできないって書いてあった。緊張もするし、そもそも繋がれるように、受け入れるようにできてない身体を開くんだから、もうその時点でさ。  けど、俺は静の緊張をほぐす方法を一個知ってる。 「静」 「穂沙クンっ、どうしようっ…………ン……っ」  深いキスをしながら、そっと手を当てた。お腹んとこ。手を当てて、体温でそこを温めながら、キスを山ほどした。唇に額に、肩に、胸に、小さな乳首に、それから、手で温めた、黒い星がくっついた静のおへそに。 「あ、ぁっ」  やっぱさ、心配なんて、これぽっちもいらなくね? 「ぁ、指っ……入って……ぁ」  だって、静の中、すげぇ熱くて、狭くて、ここで繋がるんだって思っただけで。 「静……」  俺の声が熱に掠れてた。

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