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第42話 宅飲みデート
初えっちをしてから、週末は俺んちで宅飲み、が定番になった。
「部屋……探してるの?」
「ん? あー、そう、一人暮らしいいなぁって思ってさ」
繁忙期もそろそろ終了。あとは年末の年締め納会に向けて、着々と進んでいく感じ。仕事が落ち着いてきたから、金曜の夜は二人で一緒に帰って、うちで夕飯食いながら酒飲んで、そんで……まぁ、色々と。けど、親がいるから、そのタイミングが難しくてさ。そういうのも、一人暮らしになったら好きにできるなぁって思ってみたりして。できる、っていうとなんかすげぇ下世話感があるけど、でも、親の様子伺いながらとかじゃ、さ。
「そうなんだ……」
「そうそう、もう仕事してるしずっと実家っつうのもさ。けど、まだいい感じのとこ見つかんなくてさぁ」
俺らの仲は順調。
あんま喋んないと思っていた静もゆっくりゆっくり、けど確実に話すようになって。
「近くで探してるの?」
「そう、職場から歩いて行けるくらいのとこがいいなぁってさ」
「……うん」
「けど、家賃がなぁ。製造、給料あんま高くないからさ。静んとこ、設計って給料良さそう」
「ど、どうだろ」
「だって、設計の主任、すげぇ車乗ってんじゃん」
「そう、だっけ?」
そうそう、たっかいハイブリッド車。
いつか俺も車欲しいなぁとは思うけど、まだ、少し金貯めないないと。幸い、今の生活で車がないと無理ってことはほとんどないから。
「あ、つうか、これよくね? この手袋」
「手袋? でも、俺、去年の
「お揃い、とか? なんちゃって」
結局、買う必要はなかったんだけど。買い物行く予定だったの無理になったじゃん。翌日になってこんにゃくみたいにクネクネになった腰は歩けるようになったけど、その初めてだったからさ。
――お尻に……何か、挟まってるみたいに……。
なんて、言われて、頭が爆発するかと思った。そんなわけで、その時は身体最優先でデートは全て自宅デートに変更となった。
「けど、あん時はさ」
「ぁ……うん」
静が顔を赤くした。
「今は?」
「ぇ?」
「お尻……」
「ぁ……」
「少し慣れた?」
「……まだ」
「まだ?」
ベッドを背もたれにして寄りかかって酒を飲んでた。俺はレモンチューハイで、甘いのが好きな静は林檎味のチューハイ。一番気に入ってるみたいで大体いつもそれを飲んでる。
「まだ、ドキドキする……」
だから、大体、キスが林檎の味がする。
「ん……」
甘酸っぱい林檎の味。
「あっ」
服の中に手を入れて、そっと薄い腹んと子を撫でると小さく声を上げて、慌てて静が自分の口元を手の甲で押さえた。
下に親がいるからさ。隣には妹もいるし。まぁ、妹に関しては大概、ヘッドホンからジャカジャカ音漏れするくらいの音量で音楽聴いてるから大丈夫だけど。
「少し勃ってる」
「ん……だって、ン……ン、ん」
すぐに痛くなる我儘な腹のとこを撫でると、静のがズボンの中でむくりと起き上がった。
「あ、ダメ、触っちゃ」
そのズボンの中に手を入れると、中でそれを握って上下に手を動かした。静が困ったように身体をくねらせて、溢れ落ちそうになる声を一生懸命に手で堰き止めてる。
「声、出ちゃう」
腰を引き寄せてから俺の上に座らせると、また困った顔をして、片手は自分の口元を、もう片方の手は自分の服をぎゅっと握った。
「静」
「ぁ、あっ」
その仕草が可愛くて。引っ張って、ずり下げたズボンと下着から、ようやく解放されたって飛び出た静のを何度か扱いて。
「穂沙クン、も」
「ン」
「あ、もう……」
「ガッチガチ」
「ぅ、ん」
コクンと頷いて、俺がズボンをずり下げ自分からそれを出すと丁寧に両手で握ってくれる。
普段、あんま喋んない静が俺の名前を呼んでさ。それがたまらなくて、俺は部屋の温度を一度上げてから、静に深めのキスをして服を捲った。
「ン……ん、わっ」
寒いじゃん。もう冬だし。だから、下脱いで腹痛くなったら大変だからさ。
それでなくても静の腹はすぐに痛くなるから。
「わっ」
「静、こっちしてて」
「ぇ? わっ」
前がくっつくくらいに腰を引き寄せてから、俺の両手は静の後ろへ。
「ぁっ、冷たい」
背中からわざとローションを滴り落として、指で受け止めてからそれを。
「ン……」
中へと塗り込んでく。
「はぁ」
片方の手で孔をそっと広げて、もう片方の手で、指で、静の中を解して。
「あ……ン……ン」
声が零れ落ちないように、喘ぎを受け止めるみたいにキスをした。舌を絡めながら、指でそこを抉じ開けながら、気持ちよさにたまに止まる手をまた慌てて一生懸命に動かす静を抱き締めながら。
「あっ……穂沙、クン」
まだドキドキして真っ赤になる静を部屋のラグの上にそっと押し倒した。
「あ……」
体勢が入れ替わって、ドキドキする心臓ごと外に溢れそうになる声を我慢してくれる静にひとつキスをして、ガッチガチで痛くなるくらいの自分のにゴムをつけてさ。
「あっ」
ホントはさ。社会人だし、そろそろ、とか思ってたからっていうのもあるけど、でも、最近、本格的に一人暮らしをしようとアパート探しし始めたのはさ。
「ン……ン、穂沙、クン」
「静、声、聞きたい」
「ぁっ」
実は、静の声をもっとたくさん聞きたいなぁって思ったからなんだ。
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