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第55話 恋するおへそ
入学式の日、工業系の学校だから女の子なんてほとんどいないだろうなぁって思ってた俺は、その名前に浮かれたんだ。
星乃静。
女の子じゃん! 俺の前の席! ってさ、大喜びして。
けど現れたのは男子で、がっかりしたっけ。
でも、入学してすぐだったから、何枚も何枚もプリントを配られて、そのプリントを前に座る静がそのまた前に座る奴から受け取って、後ろの席に座る俺へと渡す度、うなじが白くて、華奢だなぁって……思った。女の子だったらなぁ、なんて、思ったんだ。名前が――。
「……静」
キラキラしてるなぁって。
「? な、に?」
全身にキスをされて、ベッドの上で真っ白な身体をくねらせてる静が、呼ばれて、ちらりと上を見上げた。メガネ、壊しちゃったら大変だから、テーブルに上に置いてきてるせいで、あんまよく見えてないんだろう。眩しそうに瞳を細めてる。
だから、顔を近づけようと肘をついて、肌を重ねる様に静の上に覆い被さった。
「あっ……穂沙クンの……」
密着すると俺の体温の高さに小さく驚いて、小さく喘いで、小さく俺の名前を呼んだ。
あの時は、可愛い女の子が前に座ってくれたらいいなぁって思ったんだ。
「ン……ン、ふぅ……ぁっ」
「静」
「あ、ン」
今は誰より静が可愛いなぁって思う。
「もう、挿れたい。ヘーキ?」
「あっ……」
指でそこを撫でると、ローションでトロトロに濡れた孔がくちゅりと甘い音を立てて、柔らかく俺の指先咥えた。
「うん……」
コクンと頷いてくれる静の唇に挨拶みたいなキスをしてから、そっとベッドの脇に準備しておいたゴムに手を伸ばして。
「あ、の……」
「?」
「今日は……その……」
「?」
「あの、そのまま、じゃ、やだ?」
「………………は? ぇ? 生ってこと?」
「あ、ごめっ、いやならいい、です……あの、ごめんなさい。女の子じゃないから、やだよね。ここにそのまま挿れるなんて……」
慌てて、申し訳なさそうに手を横に振って、肩をぎゅーっと縮めて。
「違くて、静」
「……ぁ」
「だってさ……」
「……ぁ、穂沙、クン」
困ったな。そんな切なそうな顔とかされたらさ。
「…………あーもうっ」
封を切ったゴムをそのままベッドの下に置いて、心細そうに小さく縮こまる静の上にまた覆い被さった。
「たまに、静って大胆だよな」
「だ、だって」
「生でしたら負担かかるってことくらい知ってるんだからな」
「……」
「それでなくてもすぐに腹痛くなるくせに」
「ならないよ」
覆い被さる俺に手を伸ばして、静の真っ白で細い腕が優しく、でもしっかりと俺を引き寄せた。
「穂沙クンといる時は、お腹、ちっとも痛くならなかったんだから」
「……」
「入学式の日から、ずっと」
「……」
「ずっとそうだったんだ」
そう言って笑って静が薄くて真っ白な腹を自分の手で撫でてから、はにかんでる。照れ臭そうに、嬉しそうに、自分のお腹を撫でてる。
「いつもすぐに痛くなるのに、なんでだろうって驚くくらい」
俺もそのお腹を撫でる手に手を重ねると、心地良いのか、静が小さく安堵の溜め息を溢して、そっと柔かく瞼を閉じる。
「気持ち、ぃ……」
今日は特別たくさん話してくれるのに、その無口な唇のおしゃべりを邪魔するようにキスをした。
「ン……」
手はずっと静のお腹を撫でながら。全身にたっぷりキスをして。
「挿れるよ」
そう告げたら、嬉しそうに目を細めてまた頷いてくれる。
「…………あっ」
ぎゅううって俺の枕にしがみつく様に握り締めて、眉尻を下げながら、身悶える静の中が熱くてさ。
「あぁぁっ」
「っ」
ぎゅううううって俺に中がしがみついて来て。
「あっ……ン」
「声……」
「我慢、しないで、出して」
「あぁぁっ!」
柔らかいけど狭くて、トロトロだけどキュンキュンしてる中を深く俺ので突いて。
「あっあぁン……ン、あっン」
無口な唇がたくさん甘い声を溢してくれるように、中を擦って、真っ白だけど今は赤く火照ってる肌に齧り付く。
「あ、あ、あ」
「静……」
「あ、そこ、気持ちいい」
ずっと撫でてたお腹のとこ。ここって伝えるように、俺の手に手を重ねてくれる。
俺も、静の中、気持ち、ぃ。
「あ……ン、穂沙、クン」
「っ」
「可愛い声」
「あ、あ、あ、あっ、やだ、そんなにしたら、出ちゃう」
奥がキュンキュンしててたまんない。
「声、もっ、ひゃあああンっ」
孔の口んとこがぎゅって絞るみたいにするから、クラクラする。
「こっちも?」
「ひゃ、あ、あ、ああああああっ」
「静」
こんなに好きな子とだからかな。
「あ、の、ごめっ、なさい」
「静?」
「声、出ちゃうのが、なんか、やらしくない、変な声で」
「……」
「色っぽくなくて」
こんなに大事にしたいって思う子とだからかな。
「申し訳ないんだけどさ」
「あ、あっ……うんっ、ぁっ!」
こんなに――。
「めちゃくちゃ可愛くて、めちゃくちゃエッロい声に、すでに限界だから」
「あ、あっ……」
「あんまこれ以上」
こんなに可愛い子としてるからかな。
「可愛いこと、言わないで。暴走しそう」
「あっ……」
あまりに気持ち良くて、困るくらいなんだ。
「して……暴走」
抱き締めて、このままずっと離したくないなぁって思うくらい。
「して欲しい、です……暴走」
好きなんだ。
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