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君と旅行編 5 君って、無口でおしゃべりだよね

「待ってて。ゴム、持ってくる」 「ぁ……」 「……ダーメ、中出しは、すっげぇ、超絶特別な時だけ」  すぐに腹痛起こすんだから。そんなもんお尻から注入しちゃったら、絶対にダメでしょ。だから、すげぇ、めちゃくちゃレアで、ほっっっんとうに、すっごい特別な時だけ。  そんなことをなけなしの理性総動員で前から俺的に決めてる。 「……」  ぶぅ、って感じ。ほっぺた膨らませたりしないけど、口もとんがらせてないけど、「ぶぅ」ってむくれた感じ。 「中出ししなくても、俺は気持ちいーし、静だって気持ちいいだろ?」  ぶ、ぅ……って。 「はい、寝そべってー」  なんか、可愛くて、たまんない。 「痛かったら、言って?」 「は……ぃ」  静の心臓の音が聞こえそうな気がした。  布団の上に組み敷いて、そっとおでこにキスをしながら、覆い被さると、真っ黒な瞳が濡れたように潤んでる。 「あっ……」  静のこと、すごい無口なんだってさ、思ってた。  けど、違ってたんだ。 「あっ……おっき、ぃ……っ」  なんも言うことがないから黙ってたとかじゃなくて、胸の内ではいろんなことを考えて、けどそれが口をついて出てなかっただけのことだったって、一緒に暮らすようになるとあっちこっち、小さな出来事のたびに気がつく。口では言わないけど、でも顔で全部お喋りしてる感じ。むしろたくさんおしゃべりしてるんだ。多すぎて、喉のところで詰まって、言葉が止まってるだけ。  顔見たらわかるよ。  そんでそんな静を見てるとさ、すげぇ可愛くて。  よかったって思う。  静がいつも俯きがちで、でっかいメガネが邪魔をしてくれて。  こいつの可愛いとこ、隠してくれてて。 「穂沙、クン」 「うん」 「あ、あぁっ」  そんで、こんな時はもっと可愛くなる。  いつもは頭の中ですげぇしゃべってんの。けど、こういう時はそのおしゃべりさえ止まって、なんつうか思ったこと、感じたこと、全部がダダ漏れになる。  おしゃべりにさえならない気持ちとか考えがそのまま口をついてポロポロ溢れて零れてる感じ。  俺の名前を無意識に呼んで。 「あっ……ン、おっきぃ……穂沙クンっ」  感じたまんま言葉になって溢れちゃってるってさ。それってなんかすごくやばいくらいに可愛くない? 「あ、あっ」 「静……」 「あ、うんっ」  一生懸命にコクコク頷いて、ぎゅっと自分の下に敷いてあるバスタオルにしがみついてる。 「俺の、大きい?」 「ぅ、んっ、おっき、ぃ、あ、あ、あっ」  小刻みに揺らされるのが多分、すっごい好き。 「や、ぁっ……ン」  ね? 「あ、そこっ」  ここでしょ? ここ、擦ると、中がぎゅううううって締め付けてきて、俺もすげぇ気持ちい。  静の中、すげぇ、気持ちいいよ。 「あっ! それ、ダメっ」  乳首も超敏感。どっくんどっくん脈打つ胸に近いからかな。右の乳首を口にパクリと咥えると、甘い声が言葉も忘れて、溢れるんだ。 「やぁっン、あ、あ、っ、穂沙クンっ」  うん。中、すごい。 「あ、あ、あ」  火照ってるのか、さっき首筋につけたキスマークの色が濃くなってて。 「あ、の……穂沙、クン?」 「?」 「変、なの」 「?」 「穂沙クンが今日は、無口だね」  そう小さな声で呟いて、ぎゅっと握っていたタオルを離して、俺の手に掴まった。 「あの……名前」  名前? 「呼んで、もらいたい、です」  真っ赤になりながら、そう口元を手の甲で押さえながら、もう片方の手で俺に掴まりながら呟いた。 「穂沙、クンに名前呼ばれるの、好き……なので」 「……ごめん」 「え? あ、いえっ、あのっ」 「静が可愛くて、ぼーっと見てた」 「へ?」 「静」 「ひゃ、あっ」  すごいんだ。 「あ、あ、あっ、穂沙、クぅ……ン」 「うん、静」 「あ、やぁ、中でもっと大きくなった、ぁ」 「だって」  静が可愛いから仕方ないんだ。  いっつもモジモジしてるのに、たまに、すごい急に積極的になってみたり、仕事してる時はすげぇ真面目なのに、エッチの時はさ。 「あ、あ、あっ、そこ、ダメぇ……僕、またイッちゃう」  すっごいエッチな感じになるの。  今だって、俺の下で気持ち良さそうに喘ぎながら、自分でも身体をくねらせて、気持ちいいとこを一生懸命擦ってて。 「やぁっ……あ、あっ、穂沙、クンっ」  中、トロトロで。 「あっ、の……僕」 「うん」 「ン……ん、ン」  キスすると舌もトロトロで。柔らかいその舌と舌を絡ませると。 「っ、あっ」  溶けそ。 「も、っ」 「うん」 「穂沙クンっ、僕、僕っ」 「うん」 「あっ」  熱くて絡みついてくる、中をググッと抉じ開けた。 「あ、やぁぁぁあっ、ン」  その瞬間、絞り取られる感じ。 「っ」 「あ、あっ」  ビュクッって弾けて。 「……あっ」  達した瞬間の静の中が、まじで、最高で。 「っ」 「っ! ン、あっ、穂沙クンの……」  ガクガク、君を揺らしながら、俺もイッた。 「ン……」 「やば……」 「あっ…………ン」  中、ゴム越し。なのに、気持ち良さそうな溜め息を静が吐いて、はにかみながら俺を引き寄せる。 「穂沙クン」  無口な静が俺を呼ぶ。ただそれだけ。それ以上は特に口に出して何かを言うわけじゃないのに。  そのぎゅっとしがみつく腕がさ、名前を呼んだ時の声がさ、まだ繋がったままの身体がさ、俺のこと大好きって全身で言うから。 「俺もすげぇ、静のこと好き」  そう耳元で囁いて、ぎゅっと同じだけ、潰さないように気をつけながら腕の中にいる静のことを強く抱き締めた。

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