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第14話 <ユクレシアの記憶05> ※
※※ユクレシアのことは回想形式で、今後も続いていきます。もし、わかりづらかった場合は、目次から<ユクレシアの記憶>だけ、つないで下さい。
「どうしてそんなものが苦手なんだ」
「ヒューにだけは、言われたくないよ」
森の中で見つけたミミズに驚いた僕が、ミミズが大嫌いなのだということを涙目で伝えたら、ヒューがそんなことを返してきた。僕は、ミミズが嫌いな人くらいいると思う。だって、どこが口なんだとか、なんだあの首の白いのはとか、ぬるぬるしてるとか、色々苦手になっていい特徴がいくつもあるのだ。
ドーナツが苦手な人にだけは、言われたくない、と、僕は思った。
そうして、二人で森の中から帰ってきた後、恐ろしい事態が、僕たちを待っていた。
「あっ シルヴァン、待って」
「もう、待てません。好きです。ヒカル」
その日は、僕とヒューは、近くの森で、夜にしか咲かない薬草の花を、採取していたのだ。だから、天幕は別に分けてくれ、と、お願いしてあった。が、意外にもすぐに見つけることができ、早めに帰ってきた後だった。そして、帰ってきた報告をしようと、ヤマダくんたちの天幕に近づいたとき、そんな声が聞こえ、僕は動きを止めた。
(…………へ?)
僕は焦りまくっている頭で、動揺しながらも、状況を考えてみた。
この時間、オーランドは、剣の鍛錬をしているのだ。今日は近くに湖があるということで、そこまで走って行くと言っていた。ということは、この天幕の中には、シルヴァンとヤマダくんしかいないはずなのであった。そして、今まさに、この天幕の中では、羽里が歓喜するピンク色な何かが、はじまろうとしていた。
まずい、ということを瞬時に判断し、立ち去ろうと考えた僕は、ふと気がついた。
いや、待て、ヤマダくんは「待って」と言ったのだ。もしかすると、強引なかんじなのだろうか、と。だとすれば、一緒に異世界に来てしまった年長者として、守ってやらねばなるまい、と思った。そして、再度聞き耳を立てた。
「こんなにとろとろにしておいて、待ってだなんて。本当はどうして欲しいんですか?」
「あんっ し、シルゔぁん、も、ほしっ」
その濡れた声が聞こえたとたん、僕はしゅぴっと姿勢を正し、僕の斜め後ろにいたヒューの手を握り、ものすごい勢いで、僕たちの天幕まで走って行った。
僕の頭では、どうして、どうやって、いつから、という様々な疑問の奔流が渦巻いていた。だが、今はそれどころではなかった。
二人用の天幕に戻ってきた僕は、まだヒューと手を繋いでいることも忘れて、ぜえぜえと肩で息を吐き出した。顔が熱い。どうしようどうしようと、意味を成さない言葉を吐き出しながら、ヒューの綺麗な手を握りしめた。ちょっと、泣きそうだった。
そんな僕を見ていたらしいヒューが、つまらそうに言った。
「今更だろ」
「な、なんだって?!」
僕は驚愕した。
まさか、この、色恋にものすごく疎そうなツンデレ魔術師は、ヤマダくんとシルヴァンのことに気がついていたというのか。ものすごく疎そうだと思っていたのに。僕が気がつかなかったというのに。
僕は考えてみた。
僕たちは基本的に、野宿のときは、同じ天幕に泊まっている。そこで、羽里の読んでいるBL漫画によくある「やめろよ、みんな起きちゃうからっ」みたいな展開がない限り、そこで何かがはじまっていることはない。…と、そこまで考えて、僕は不安になった。
(……え、なかったよね?!)
いや、なかったはずだ。ヒューだってオーランドだっていたのだから。僕が気がつかなくても、彼らが気がつかないわけがない。
そして、町の宿屋に泊まっているときは、一人ずつ泊まっている。
たまにはゆっくりとくつろぐという意味も兼ねて、そうしようということになり、それは本当に僕をくつろがせてくれている。が、その僕が本当に、心身リラックスするために使っていたその貴重な夜に、まさかの、ヤマダくんから、ほ、欲しいと言わしめるほどまでに、深い関係が築かれていたというのか。それを知らずに、僕は、全員で寝ているときも、すぴすぴすよすよと、幸せに眠っていたというのか。
僕は混乱した。
(…待って、「欲しい」って、待って。何を?え…本当に待って…)
僕は天幕の中でしゃがんだまま、まっかになってしまった。
隣で、手を繋いだまま立っているヒューが、ぎゅっと手を握り返してきて、僕はようやく、まだ手を繋いだままだったことに気がついた。だけど、僕は、なんだか怖くて、恐ろしくて、ヒューの手を離す気になれなくて、ヒューの手をぎゅっと握り返した。
そして、震える声で尋ねた。
「い、いつから…?」
「結構前だ。お前、鈍いな」
「て、天幕を、分けた方がいいのかな。その、シルヴァンとヤマダくん二人に」
「それは、だめだな」
え、どうして?と首を傾げた僕に、今、思い返してみれば、ヒューは更なる恐ろしいことを言った。
「分けるなら、今日みたいに、シルヴァンとオーランドとヤマダにしないと」
「………………え?」
「お前、本当に気がついてないのか。信じられないほど鈍いな」
その時の僕には、そういう発想はなくて、ヒューの言った言葉は、全く意味がわからなかった。僕のような、正しい真っ当な思考を持った、ごくごく普通の一般人には、そんな発想はなかった。
ぽかんと口を開けて、首を傾げているのをみたヒューが、「いいんじゃないか?とりあえず、今日は俺たち二人なんだし」と言って、自分と僕に浄化の魔法をかけて、ころんとベッド代わりの簡易マットに、横になった。おいで、というように、ぽんぽんとそのマットの横をたたかれ、僕は、マットに倒れこむように、ばふっと横になった。
しばらく、僕は無言であった。
なんというか、僕の頭の中には、よくわからないけれども、何故か太陽系の一年を早めたような映像が、ぐるぐるぐるぐると回っていた。それと同時に、何故か羽里の高笑いが聞こえた。地球が太陽を回る。月が地球を回る。羽里が笑う。
ぐるぐるぐるぐる。
うつ伏せに倒れている僕の隣で、ヒューは平気で読書をしていた。
僕は、頬を潰したまま、それを見て、ふと、ヒューはなんとも思わないのだろうか、ということが気になり出した。動揺しすぎて、逆さまに本を読んでいる、みたいなこともなければ、慌てて、いかがわしい本を読んでしまった、のようなこともない。ヒューが読んでいる本は、星見の本で、全く動揺している様子はないのだ。
確か、この世界では男性同士の恋愛は公認されている。BLゲームの世界観になるくらいである。それが容認されない道理はない。僕がじっとヒューの顔を見ていることがわかったのか、ヒューが「何?」と尋ねてきた。が、大混乱中の僕はやっぱり、何を言っていいのかがわからず、無言だった。すると、見かねたヒューが言った。
「好き同士なんだから、放っておけばいいだろ」
その通りだった。
思い返してみても、あれは、明らかに合意の上の行為であった。僕は、「そうだよね」と、自分に言い聞かせるように言って、また無言になった。しばらく、ぺらりとヒューがページをめくる音だけが、僕たちの天幕に響いていた。
僕の頭の中では、もうすでに、地球は873回くらい、太陽を回ってしまったように思った。そして、ようやく、事態を理解しはじめていた。
(…好き同士なんだから、セックスだってするよね。手を繋いで、キスをして、それで、そうなるよね)
ヤマダくんは、シルヴァンのことが好きなのか、と、ようやく理解した。これは、羽里のいう通りの展開になってしまったな、と僕は思った。あんなに艶かしいヤマダくんの声を、僕は今まで一度だって聞いたことがなかった。
そして、思い出してしまった。
ーーーも、ほしっーーー
僕はビクッと体を震わせてしまい、ヒューが怪訝そうな顔で僕の方を見た。僕はまっかになって、猫のようにまるまった。
ヤマダくんは、シルヴァンのことが好きなんだ、という、たった今、ようやく理解できたことが、実感として、僕の中に顕れた。すごいことだ、と、僕は思った。体と体で繋がりたいと思うほどに、相手のことを好きだということだ。恋愛経験のない僕にとっては、それはとても、深い愛のように感じた。
ヤマダくんは、シルヴァンを、愛しているんだ、と思った。
「すごいね、ヒュー。人を好きになるって、すごいことだね」
僕が思わずそう呟くと、ヒューはしばらくじっと僕のことを見て、パタン、と本を閉じた。僕は未だ、頬を潰したまま、うつ伏せでヒューを見ていた。そうしたら、ヒューが近づいてきて、顔に息がかかるほど近くで、僕に尋ねた。
「お前は?」
「え?」
「お前は、好きな人いないのか」
僕は何故か、その真剣なヒューの薄紫色の瞳に、吸いこまれてしまいそうになっていた。「好きな人はいない」と答えればいいだけだったのに、僕は、意識ごと全部、ヒューに持ってかれてしまったかのように、固まってしまった。
さらっとした薄茶色の髪と同じ色の、長いまつ毛が少し震え、美しい瞳に影を落としていた。ランプで照らされた天幕の中で、少し、黄色味を帯びた頬、薄い唇、気の強そうな瞳。はじめに見た時から、僕は何度、ヒューのことを王子様みたいだと思っただろう。
そして、ヒューに乗っ取られてしまった僕の意識は、全部ヒューで染まり、そして、わけわからないことを口走った。
「ヒューって、本当に綺麗」
「………お前は、本当に人の話を聞かないな」
苛立った口調で言われて、僕はハッとなった。
あまりの近さに、ヒューのことで頭がいっぱいになってしまったけれど、そもそも、どうしてこんなに近いんだろう、と、不思議に思い、僕は赤くなった。それから、ヒューはなんて言ったんだっけ、と思い出し、また不思議に思った。どうしてそんなことをヒューが尋ねてきたのか、よくわからなかった。だけど、一応答えた。
「僕は、好きっていうのが、まだちょっとわからないかも」
一緒にいて好きだなと思うこと以上に、体を繋げたいと思うほどに好き、というのは、どういう気持ちなんだろう、と僕は思った。あったかそうではある。だけど、さっきのヤマダくんの声を思い出せば、それが、あったかいだけの行為ではないことは、明らかだった。
「手を繋いで、抱きしめて、キスをして、そうしたら、もっと深く繋がりたくなるのかな」
「そうだろうな」
「……そうか。って、あ!そういえばさっき、僕、ヒューの手、ごめんね。汚かったよね」
ヒューが潔癖症なことを、すっかり忘れていた。慌てて掴んでしまったけど、ヒューは嫌だったかもしれないな、と思った。案の定、ヒューは、ものすごく嫌そうな顔をして、「ハア」と、あからさまなため息をついた。これは相当怒っているのかもしれないと思い、僕が焦ってもう一度謝ろうと口を開いたとき、僕の手を何かがぎゅっと握った。
それは、ヒューの手だった。
「え?」
そして、ヒューの顔が近づいてきて、頬の上で、ちゅっという濡れた音がした。
「……え?」
それから、横向きになっているヒューの、下側の腕が伸びてきて、僕の頭の下まで来ると、二の腕に、僕の頭を乗せた。それから、手は握ったまま、ぎゅっと抱きしめられた。
あったかい、と思った。
何が起きているのか、未だに理解はできていなかったが、ヒューの腕の中は、とてもあったかかった。心臓がとくとくと言う音が、聞こえた。いつもより早く響くその音を感じながら、「あれ、どうしてこんなことになっているんだっけ?」と、ぼうっとしていたら、ヒューが言った。
「手を繋いで、抱きしめて、キスをしたら、もっと深く繋がりたくなったか?」
「……え、いや、だってヒューは、僕の恋人じゃないでしょ」
じっと僕を見るヒューの瞳に、何故か、どくんっと僕の心臓が跳ねた。
ヒューは「そうだな」と、小さく言って、僕の首筋にちゅっと唇を落とし、それから、れ、と舌を出して、舐めた。ヒューの熱い息が、鎖骨のあたりにかかった。
ヒューの器用な手が、僕の手を握ったままなのに、器用に僕のシャツのボタンを外していった。流石に、僕もわけがわからなくなって、「ヒュー?」「何?」と、質問を繰り返した。
そうしたら、ヒューは、握っていた僕の手を、目の前に持って来て、それで、僕の指先をあむっとかじったり、れっと舐めたりしながら、言った。
「……俺のこと綺麗だってよく言うけど、お前が、ノアの方が、綺麗だよ」
「ふぇは?!」
変な声が出た。
でも、そう言ったヒューの顔は、やっぱり綺麗だった。
もしかして、ヒューは、僕がさっき潔癖症のことを言ったから、大丈夫だと言うことを、体を以て証明してくれているのかもしれなかった。
だとすれば、綺麗という意味も、衛生的という意味で伝わっているのだろうかと思った。いや、確かに、ヒューは衛生的にもキレイなはずであったが、そういう意味では、僕もそこまで汚くはないと思ったが、正直、こんなことをしてまで、否定してくれなくても大丈夫だと、僕は思った。
「ひゅう、も、もう、わかったから」
「何がわかったんだ?」
「ヒューが僕のことを汚いって思ってないこと…が…って、え??」
そのとき、僕は、すごいことに気がついてしまった。
ヒューと密着した僕の股に、何か、とても固いものが当たっていることに気がついたのだ。密着したヒューの体の、股間の部分である。そんなところにある、熱くて固いものは、一つしか思い浮かばなかった。僕は、ぼっという音がしそうなほど、顔に熱が集まるのを感じた。
「ひゅ、そ、それ」
もしかして、ヤマダくんたちのを見て、あてられてしまったんだろうか。僕は、ヒューの顔を見ようとして、そして、僕の目にヒューの顔が映った瞬間、動きを止めた。
ばちっと視線があった。
ヒューの目が、今まで見たことのない色をしていた。
いや、色はもちろん同じだった。けど、瞳に、明らかに欲情が滲んでいた。獣みたいに、獰猛で、いつも、つんと澄ましているヒューからは、想像もできなかった。頬がちょっと赤い。握られたままの手をぎゅっとされて、僕はビクッと大袈裟に震えてしまった。
僕の頭は、完全に思考を停止して、わけがわからなくなって、とにかく自分がそうなってしまったときに、どうするかっていうことを思い出したようだった。そして、ばかみたいなことを言った。
「え、ぬ、抜く?」
「………」
←↓←↑→↓←↑→↓←↑→
「あっえ、なんっで、ぼ、僕まで?」
「一人でするわけにもいかないだろ。付き合え」
先ほどから、向かい合ったまま、いろんなところに、触れるように唇を落とされ、パンツも下着も脱がされ、そして、信じられないことに、ヒューの長いきれいな指が僕のペニスに絡みついていた。
それに、大体、どうしてヒューはちょっと下穿きを下げただけなのに、僕は下を全部脱がされてるんだ、と文句を言いたいのに、ヒューの手が上下している刺激で、頭がいっぱいで、口から言葉が出てこない。口を開ければ、出てくるのは、ーーー
「ふあっ ひゅっ 、ん! あぁっ」
そして、ヒューにじっとその痴態を見られていた。かああっと顔が熱くなった。とろっと透明な液体が、ペニスの先っぽから漏れた。ヒューの親指が、それをくちゅっと触って、僕の亀頭をぐりっとなでた。
「ひあぅ」
どうして僕ばっかり、声が出てしまうんだろう、と考えて、よく考えてみたら、僕ばかりが色々されているからだということに気がついた。僕は、そっと、ヒューのペニスに手を伸ばした。熱い…と、僕が思うのと同時に、ぴくっとヒューの体が震えた。どちらかというと、冷たい印象のヒューからは想像できないほど、ヒューの欲望を顕著に表しているそれに、僕はびっくりしてしまった。
自分のとは形の違うそれ。
大きさも、形も、違うけど、その固さが、その熱さが、意味していることだけは、僕と一緒だった。
顔がやけどしそうなほど熱くなるのを感じた。だけど、まっ赤になっても、それでもヒューから目が離せなかった。
(ヒューにも、性欲とかあるんだ…)
僕も、自分がされてるみたいに、ヒューのペニスを優しく握り、上下に擦ってみた。さっきまで、僕のことを食べようとしてるように見えたヒューの瞳が、少し潤んで、眉間に皺がよった。
えらの張ってる裏側をぐりぐりしながら、余った指で竿の部分をすっとなぞる。「は」と、ヒューから小さく息が漏れて、そのえっちなヒューの声に、僕は顔が熱くて熱くて熱かった。それでも、気持ちいいのかもしれない、と思った僕は、一生懸命手を動かした。
僕のペニスは、はじめての快感に、まるで喜んで泣いてるみたいに、ぐちゅぐちゅになってしまっていた。ヒューは潔癖症なのに、大丈夫なのかな、と、すこし不安に思っていたけど、それよりも、気持ちよさが勝って、僕は「あっあっ」と声を上げながら、ビクビクと体を震わせた。
気持ちが良くて、はしたないとはわかっていても、腰が勝手に動いてしまった。僕は、ヒューの手にこすりつけるみたいに、腰を揺らすのをやめられなかった。
「ひゅう、どうしよ。気持ちいいっ」
「うん、俺も」
人の手にしてもらうのは、自分でするときの快感とは全く違った。
何よりも、目の前で、ちょっと恥ずかしそうに、荒い息を吐いている、王子様みたいな顔があって、僕はなんだかわからなくなっていた。普段、あまり表情もなく、冷たい印象だからこそ、そのギャップに、僕はやられてしまっているようだった。
(………ヒューすごいえっちな顔。こんなの…)
僕が見てるのがわかったのか「ノア」と、名前を呼ばれ、切なげに細められた瞳に、どくんっと心臓が跳ねた。
なんだか、愛されていると勘違いしてしまいそうだった。
自然とヒューの唇に目がいった。綺麗な桜色の、薄い唇。少し開かれた唇から、はあっと漏れた息が、僕にかかるたび、、僕は何故か、胸がきゅううっとして、頭がおかしくなりそうだった。
いつの間にか、ヒューのと一緒に握られていて、ヒューの手が早くなって、僕は、あられもない声をあげてしまった。こんなに興奮したことなんて、今までなかった。くちゅくちゅっていう濡れた音に耳を侵されて、頭の中がえっちなことでいっぱいで、ばかみたいに、ヒューのことしか考えられなかった。
「あっあっ ああっ ひゅっ ひゅうっ いっちゃう」
「うん、出して」
そう言われて、「ああっ」と僕は大きくのけぞった。
がくがくと腰を震わせて、ペニスから、ぴゅっと精子が出るのを感じた。気持ちよくて、気持ちよくて、目がちかちかした。自分のペニスから、今まで見たこともないほどの量の、白濁が漏れるのを感じながら、僕は、はあはあ、と荒い呼吸をしながら、あったかいヒューの手の感触を感じながら、いつの間にか、意識を手放した。
※※次回、砂漠に戻ります。もし、わかりづらかった場合は、目次から<ユクレシアの記憶>だけ、つないで下さい。
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