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第10話 僕たちのこれからは
僕はちょっと意識が飛んでたみたい。
最後はリョウに馬鹿みたいに揺さぶられて、僕は僕で痺れる様な気持ち良さですっかりバカになってしまっていた。気がつけば喉は喘ぎ過ぎでカラカラだし、身体は色々なものでべたついてるし、お尻の下のシーツも何だか濡れてて気持ち悪い。
僕が恐る恐る起き上がると、バスローブを着たリョウは丁度ホットタオルを手に近寄ってきた。
「ああ、起きたの?結構べたついてるからサッと拭こうかなと思ったんだけど。シャワー浴びた方が早いかな。」
そう言いながら、僕の顔をクルクルと拭くと唇に軽くキスして微笑んだ。何てそつがないんだ…。リョウのやる事はなんでこんなにスマートに見えるんだろ。
「…凄い手慣れてるよね。リョウは。」
僕は何となく面白くなくて、勿論過去の事に僕が何か言える立場でもないし、僕とリョウとでは経験値が違いすぎるから、スマートなのは当たり前なんだろうけど。
リョウは僕の顔を覗き込んで凄くいい笑顔で言った。
「たっくん、妬いてくれたの?俺、今まで関係した相手の顔を拭いてあげるなんて事、やってあげたことなんて無いよ。証明はできないけど…。やってあげたいなんて気持ちになった事なかったから。たっくんだけなんだ。信じてくれなくてもそれが俺の中で本当なんだ。これが本気の相手なんだなぁ。ふふ。」
リョウは僕に説明しながら、最後は自分の言ったことに納得してる様だった。そして僕の顔を真っ直ぐ見つめて言った。
「たっくんの中で答えが出てると良いけど。まぁ、話する前にシャワー浴びてくる?俺はもう済んでるけど、立てなかったら抱いてくよ?」
僕は慌ててベッドから降りて歩き出そうとした。…やばい。腰に力が入らない。普段使わない場所を使いすぎで、あちこちガクガクする…。
リョウは申し訳なさそうな顔をすると、僕の腰を支えて浴室まで連れて行った。そして結局リョウに助けられながら二人でシャワーする羽目になった。事後って何だか恥ずかしさが増すよなぁ…。
身体がシャワーで温められたせいか、何とか動ける様になった僕はやっと一人で着替えて、大人のプライドを取り戻した。
鏡に映る自分の顔は、昼間よりもずっと顔艶の良くなった気がして僕は一人で赤くなっていた。
リョウは心なしか緊張した様子で、備え付けの冷蔵庫から出したドリンクを僕に渡しながら、鏡の前に立つ僕の後ろに立った。僕は鏡越しにリョウと見つめ合ってドキドキと心臓が速くなるのを感じた。
「たっくん、…俺と付き合えそう?」
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