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第23話 僕の複雑な気持ち

僕はリョウの懺悔?を聞きながら、話の内容に驚いたり、モテるって凄いと思ったり、ちょっと悲しくなったり、嬉しくなったり、自分の気持ちがジェットコースターに乗ってるようにグラグラと揺れ動いた。 確かにたっくんのイチモツは僕も今まで見た事がないくらい大きい。僕はリョウのソレを思い出して、お腹の奥がズクリと疼いてしまった。だからリョウが女の子相手で満足できなかったと聞いて、そう言うことも有るのかもしれないなと少し同情した。 男を知ったリョウが、相手を求めて遊び歩いていたのはいやだったけど、一方で過去のことだから、僕がとやかく言う事でもないとも知っていた。そう、僕たちが付き合ってからリョウが僕を裏切った訳でも無いし、いつも大好きだと優しく甘やかしてくれてるリョウは何も悪くなかった。 カフェでリョウが直ぐにケンジの思わせぶりな言葉を否定してくれなかった事で、僕はすっかり誤解しただけなんだ。緊張した顔で僕の様子を伺うリョウを見つめて言った。 「…わかった。僕の誤解だったね。リョウが今も他の誰かと関係してるのかと思って、僕、目の前が真っ暗になっちゃっただけなんだ。ごめんね。大袈裟に騒いで。」 リョウは僕の顔を見つめて言った。 「…たっくんは俺の過去の事気にならない?軽蔑する?」 僕は首を振って言った。 「気にならないと言えば嘘になるけど、過去は過去だって分かってるから。馬鹿だなとは思うけど、僕たちは若いから貪欲になっちゃうのも多分分かる…。」 僕はたっくんとのアレコレで僕が酷くねだった時のことを思い出して、顔が熱くなってしまった。 リョウはホッとした様に息を吐き出したけど、ちょっと考え込んでいるみたいだった。 「でも俺、もしたっくんが俺と付き合う前に、色んな男と俺みたいに無節操に関係したとかだったら、嫉妬できっと、じっとしてられない気がする。…たっくんのあんなにかわいい声とか痴態とか、他の男が知ってるとか思ったら、ムカつくし、腹が立ってしょうがないと思う。…たっくんは本当に割り切れる?」 僕はリョウの変な溺愛ぶりに、少し可笑しくなって、言った。 「…さっき、リョウが言ったでしょ。スポーツみたいなものだったって。少なくとも、僕はリョウとの、その、アレはスポーツみたいだなんて思った事ないから。いつもリョウは僕をとても大切なものとして扱ってくれてるのがわかるから…。僕もリョウが初恋なんだ。…僕リョウが凄い好きだよ。」

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