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第一章・2
「津川くんは、第二性がΩですね。発情はコントロールしていますか?」
「まだ発情期を迎えてはいませんが、やるべきことは承知しています」
「18歳とありますが、最終学歴は?」
「履歴書にあるとおり、中学卒です」
「高校へは、進学しなかったのですか? なぜ?」
「そ、それは」
そこへ、真が押し出すような声を上げた。
「なぜ君は、パイナップルを持っているんだ?」
一番訊ねたいところは、そこだろう。
副店長も人事部長も、何を体裁を繕っているんだ!?
「あの、よかったら特技を披露させてもらおうかと思って。それで」
特技。
これまでの候補者たちも、何かしら特技は持っていた。
カラオケが得意だというから歌ってもらったら、とんでもない音痴だったりしたが。
「僕、パインサラダを作ることが、得意なんです!」
今から作ってもいいですか、と尋ねる杏に、真は興味を持った。
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