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第二章・2
事務所に入ると、そこには人事部長と3番の候補者がいた。
「早いな。もう決まったのか」
「呑気なのは、店長だけですよ!」
しかし、そう言う部長の顔は嬉しそうだ。
「さっそく今夜からでも働いてくれるそうです」
「そうか。しかし君、大丈夫か? え~」
「三宅 詩央(みやけ しお)です」
うん、と真はうなずいた。
「詩央くん。聞いているかと思うが、ここでは性交のサービスもする。できるか?」
「大丈夫です。こちらにお世話になる前も、そういった職種に就いていましたから」
物怖じしない態度に、真は好感を持った。
「では、体に気を付けて。困ったことがあれば、何でもすぐに言ってくれ」
「ありがとうございます!」
詩央は、胸を弾ませた。
(店長が。北條さんが、優しい声をかけてくれた!)
この店に採用になって真っ先に浮かんだのは、面接で会った真の姿だった。
素敵な人。
この人のためなら、僕は何だってできる。
そんな風に、胸をときめかせた。
詩央は、真に想いを寄せていたのだ。
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