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第三章・3
「おじいちゃんっ子だ、って言ってたが。健全に、暮らしてきたんだろうな」
それがなぜ、ボーイズ・バーの求人に応募してきたのか。
「多分、どんな職種かも知らずに、待遇だけで飛びついてきたんだろう」
世間知らずの、ピュアな子だ。
それを私が、今から汚す。
「興奮と罪悪感の、せめぎ合いだ」
それでもベッドで、杏が待っている。
グラスを置き、真は静かに寝室へ入った。
「杏くん、起きてるか?」
「……」
「寝ちゃったか。そうか」
わざとらしく、そう言った後、真は杏の鼻をつまんだ。
「……うぅう!」
「はっはは。寝たふりは、反則だ」
「すみません」
でも、と真は彼の髪を撫でた。
「今夜は、よそう。君も、疲れただろうから」
「ごめんなさい……」
いいさ、と真は寝具を杏に掛けてあげた。
「そのうち、付き合ってもらうぞ」
それまでで、真も瞼を閉じた。
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