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第五章・8
「……っく、ぅう。ん、んあぁ」
「杏、我慢しないで声出して。力、抜いて」
「うぅう。はぁ、はぁ、あんッ!」
真の指先は舌先に代わって、杏の乳首をいじめていた。
大きく舐めた後、唇で挟んで圧をかける。
舌でつつき、弾く。
震えながら声を殺していた杏だったが、ちゅっちゅと吸われると首をはね上げて悲鳴を上げた。
「あぁ! イヤぁ、ダメッ! も、もう、あぁあ!」
ひくひくとわななき、真にすがりついて震えている。
「杏、もしかしてイッたか?」
「うぅ。ヤだ、もう……」
「恥ずかしがらないでいいよ。それだけ、敏感ってことだ」
乳首責めだけで、イッてしまうとは。
真は、いまさらながら杏の純潔を大切に守ってきたことに安堵した。
急いて無理に犯していれば、この子の心は壊れてしまったに違いない。
「さ、シャワーを浴びて上がろう」
「ごめんなさい、真さん」
「謝らないでくれ。すごく素敵だったんだから」
「……ホントですか?」
「ああ。ありがとう」
それだけで、杏は笑顔になる。
幸せな気持ちを、真に与えてくれるのだ。
(恋人、か)
それもいいかも、しれない。
生まれて初めて、真は真剣に恋の相手と向き合い始めた。
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