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第八章・6
真がそうしているように、杏もまた手のひらを彼の頬に当てた。
唇を割り、優しく絡めてくる杏の舌。
少し驚いたが、真は喜んでそれを受け入れた。
杏の小さな細い舌を吸い、自らの舌を絡めた。
森の奥に棲む、柔らかな生き物のようにうごめき、求め合った。
一度、真は杏から離れて彼の目を確かめた。
(大丈夫。怖がっては、いないみたいだ)
そして再び、キスの続きを味わった。
今までで一番長くて熱い、キスだ。
昂ってくる自分をコントロールしつつ、真はキスをしながら杏の体を撫でさすった。
髪を、肩を、腕を撫で、その腰を抱いた。
(杏、平気か?)
初めて真は、彼の首筋に口づけた。
「は、あ……っ」
熱い息が吐かれ、杏の首は真が愛撫しやすいように反らされた。
「杏、いいのか?」
「できるところまで、やってみてください」
「ダメなら、すぐに言うんだぞ」
首筋を降りて細くて折れそうな鎖骨を食み、さらに脇を吸った。
そして、その小さいピンクの乳首に唇を触れさせた。
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