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第十五章・3
「っふ、ぅん。む、ぅぐ。くぅう……」
ぴちゃちゅぷとかすかな水音に混じって、杏の声が響く。
「杏、もしかして感じてるか?」
「ん、ぅん。僕じゃなくって、真さんが。感じてくれなきゃ……」
そんな杏の上目遣いは、とろんとして酔っている。
施すことによって、自分も興奮しているのだ。
「ま、真さん。少し、休憩してもいいですか」
「いいよ。ありがとう」
唾液の糸を引いて、杏の唇が真から離れた。
ぺろりと口元を舐める赤い舌が、そそる。
真は、そんな杏の姿にぞくりときた。
「杏。今ここで、って言ったら?」
「え?」
君が、欲しい。
「でも。真さんは、ケガしてます」
「こんなもの、ケガのうちに入らない。それに」
それに、もう我慢できないみたいだ。
真のペニスは、猛々しく反り勃っていた。
「杏が、こんなにしちゃったんだぞ。責任を取ってくれ」
「し、仕方がありませんね」
「嬉しいよ」
真は、杏に口づけた。
深く交わるキスをしながら、彼のスラックスをていねいに脱がせていった。
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