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第十五章・4
スーツが皺になるといけないので、真は杏をベッドに腹這いにさせた。
腰に手を掛け、高く上げさせる。
いや、真がそうしなくても、杏が自分から腰を上げた。
(どうしよう、ドキドキする。早く挿れて欲しい、って思っちゃってる)
僕はなんていけない子なんだ、と杏は唇を噛んだ。
だが、体の奥がじんじんと熱い。
甘い吐息が、湧いて出る。
真の指が秘所に触れたとたん、痺れるような快感が杏の体を走った。
「あ、あぁ、んッ」
「杏、君は……」
真は、杏の蕾に指を入れ、軽く抜き差しさせてみた。
粘りつく体液が、絡んできた。
「杏、君は。君の体は、発情期に近づいてるぞ」
「え……?」
Ωの分泌する体液が、真の指に粘りついた。
(良かった。これで、彼の体を傷つけずに済む)
ローションのないここで、どうやって挿入しようか悩まずに済む。
真は指を蠢かせ、杏の体を可愛がった。
どんどん溢れてくる、体液。
そして、今までに見たことのない杏の悦びようだった。
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