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第十五章・8

 あぁ、気持ち、悦い。  悦すぎて、怖い。  怖いくらい、気持ち悦い! 「んあぁあ! あぁんッ! はぁ、はッ、あぁあ!」  真の動きを全身で受け止めながら、今までの彼がどれほど抑えていてくれたかを知った杏だ。  いや、これでも控えめなのかもしれない。 「真さん! 真さん、まこ、と、さぁん!」  背を思いきり反らせ、杏は精を吐いた。  名前を呼びながらイッてくれるとは、嬉しいことだ。  真は、後ろから杏の小さな体をしっかりと抱きかかえた。 「出すぞ」 「んぁ。今、イッて……。ひぁ、あぁ!」  ひくひくと、余韻に震える最中に、真の精が杏の体内に注がれた。 「っく、あぁ、あ! ふ、ぅ、うぅ、あ……ッ!」  ひどく締まる杏の体。  それに、真も参っていた。  しばらくそのまま、彼の体の中で夢見心地だった。 「真さん、好きです……」 「杏。私も、だよ」  しかし、そうしてばかりもいられない。  店の様子を、見に行かなくてはならない。 「いったん抜くぞ」 「うぅ……」  杏の体から、真が去って行く。 「ヤだ。行かないでください……」  それには、優しい言葉が返って来た。 「続きは、マンションに戻ってからだ」  メリークリスマス。  真は、悦びの涙に濡れた杏の頬に、口づけた。  熱く甘いイヴの、夜だった。

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