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第十七章・7
三村の精をさんざん搾り取り、詩央は彼を見送った。
「はぁ、効いたよ。しばらくエッチしないで済みそうだ」
「また、御指名くださいね」
さて。
室内を掃除し、シャワーを浴びながら、詩央は改めて杏のことを考えた。
「北條さんにそのまま教えるのは、まずいかな……」
下手をすると、杏が浮気をした、と思われてしまう。
それだけは、避けたい。
「月雁で食事、って言ってたけど」
杏の学習意欲が、今回は悪い方に傾いてしまった形なのだろう。
「杏くんに、やめなさい、って言った方がいいのかな」
しかし、それで彼を傷つけたくもない。
「ああ、もう! 北條さんが杏くんを、しっかり捕まえておかないから、こんなことに!」
今夜は、とても眠れそうにない詩央だった。
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