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第ニ十章・5

 目を覚ました杏は、シャワーを使った後しょんぼりしていた。 「どうした。まだ、具合が悪いのか?」 「真さん、僕……」  内緒で、三村さんとお食事に出かけてしまった。  挙句に発情して、恥ずかしいところをいっぱい真さんに見せてしまった。 「僕、穴があったら入りたいです……」 「そう言うな。私は怒ってもいないし、呆れてもいないから」 「ホントですか?」 「ああ。ただ、君を愛している。それだけだ」  真さん、と杏は彼の胸に飛び込んだ。 「真さん、好きです。大好きです!」 「杏。それなら今から、買い物に付き合ってくれないか?」 「お買い物、ですか?」  うん、と真の目は優しく輝いている。 「どこに行くんですか?」 「それは、着いてからのお楽しみだ」  少しいたずらっぽい表情になった真に背を押され、杏は車に向かった。

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