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第二十二章・3

 杏が苦しくないように、静かに腰を使う真だ。  唇の柔らかな感触と締め付けに、たちまち駆け上がってゆく。 「出すぞ、いいな?」 「……」  無言で、杏は真のものを喉奥までいざなった。 「ああ、いい具合だ」  吐息と共に出された低音に、杏もまたエクスタシーを感じていた。 「んっ! っく、んん! ふ、ぅ、んんぅ!」  真の精を必死で飲みながら、自分も追い詰められて達してしまった。 「大丈夫か?」 「んく、んん。んぁ、はぁ……」  恥ずかしそうな、眼差し。 「ごめんなさい。僕も、イッちゃいました……」 「可愛いよ、杏」  彼を抱き寄せ、真は意地悪を言ってみた。 「どうだった? 初めてのお味は。美味かったか?」 「何ていうか、キノコ? しいて上げるなら、マッシュルームっぽい感じが……」 「大真面目に答えないでくれ」 「でも、ほんのり甘みも」 「解った解った」  真は、苦笑いをして杏の髪をくしゃくしゃに撫でた。

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