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第二十二章・6
「一体、どうして。おじいちゃん先生、なぜここに!?」
「杏くん。私は、ここの料理長に抜擢されちゃったよ!」
そして厨房からは、スタッフがぞろぞろと登場してきた。
「杏くん。よろしくね!」
「詩央さん!?」
他にも、キャンドルで見た顔が大勢いる。
これは一体……!?
慌てて真を振り返った杏には、嬉しそうな笑顔が待っていた。
「そして、杏。君が厨房スタッフの主任だ」
「え!?」
「おじいちゃん先生に教わりながら、美味しいものをたくさん作って欲しい」
「真さん……!」
「接客スタッフの主任は、詩央くんだ。彼に任せていれば、問題ない」
レストラン・パインサラダは、真が空き店舗を手に入れて造ったのだ。
「杏のために」
「僕のため、に」
真は、杏の手を取った。
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