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第10話 隠された地下の部屋
学校で池野との間にあったあのショックからフラフラと、ぼんやりしながら俺は寮に戻った。
寮の部屋をパタン、と閉めると、ドアの下に紙が挟まれていることに気付いた。
折り畳まれたそれを手に取ると
『今夜、1時に、中庭の噴水に来て
甥彦』
メモを不思議な気持ちで眺める。
体を休めるように寮でじっと過ごし、
時刻まで待つ間眠気が途中で押し寄せて来たが、何とかコーヒーを飲み堪え、
完全なる深夜に中庭まで向かった。
噴水の前には甥彦が
…………甥彦?
黒いマントローブ姿の後ろ姿がいた。
そいつは振り返り「やあ、来てくれた」
笑う甥彦だった。
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「この噴水にはね、秘密があるんだ」
甥彦は噴水の模様のある一部分に触れた。
窪みのような小さい模様を押す。
すると底に溜まっている水が排水口に引いた。
空っぽになった噴水。
更に小さい模様を再び押す。
ゴゴゴ……と唸りを立て、噴水の底が開き、階段が現れた。
「来てよ沼間君」
甥彦に手を引かれ、びっくりしながら階段を降りた。
「かなり地下まで下がったね」
扉を開けるとそこは、奇怪な場所だった。
うすら炎のチラチラする灯り。
まるで魔女狩りの時代にあるような、車輪、尋問椅子、磔台……
滑車と鎖。
ゴツゴツと岩のような剥き出しの壁。
「ここは俺のご先祖様のダリオ・アイブリンガーが拵えた秘密の拷問ルームだ」
更に進んでいくと扉を開けた。
そこには平たい手術室の台のような木造台に、何かがいた。
「池野!!!?」
解体され、バラバラになった池野がいた。
顔からは眼球二つが取られている。
「ちょいと、眼球集めにね」
「なんで!なんでこんな!?」
「この山には、悪魔の神が封じられている。地鳴りがあるだろう?あれ、山以外は何にも揺れてないんだよ。地震記録がない。あれが、魔神さ……。起こすために、捧げているんだ、眼球を……。あともう一歩なんだ。もう一歩で、完全に起きるんだっ」
「池野っ!!」
かけよろうとしたが、腕を引っ張られ、先の拷問部屋まで戻される。
扉を閉められ「なに、泣いてんの」
軽く笑うと
「池野は今日沼間君に酷いことしてたしいい気味じゃないの?ビデオまで撮られてさ」
「そうだ、ビデオ……」
俺は顔を上げた。
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「池野の奴が持ってたビデオなら、何回も観ちゃった」
「甥彦、見たのか……あれ………」
思わず表情が凍りつく。
「ショックなの?ショック受けることなんか別になんも……全然無いんだよ?なぁ?」
甥彦は笑う。笑いながら、呪文を唱える。
マントを被り、短剣を手にした異様な姿で。
「既に二回……気絶している沼間君の体を味見してるからね、こっちは……。
沼間君の口唇の味も、後ろのアヌスの味もとうに知っている……。気を失って寝ている友達を自由に犯すのは、とってもサイコーの気分だったぜ……」
なんだっ…て。そんな、おい、甥彦……。
甥彦はそういってクックと肩を揺らし短剣の刃を舐めながら可笑しそうに笑う。
「二回とも涎を口のはじから垂らして、寝てても頬の赤い悦び顔を俺の前で見せていたぞ、沼間君。
愉快だったぁ」
甥彦の呪文が終わると同時に、俺の体は動かそうとしても、何も反応しなくなってしまった。
甥彦は体の動けなくなり、石化したように立ったままの俺に近づき、面白そうにふうんとした顔で眺めると、ズボンのチャックのボタンに指を入れて、ジッパーを下げてきた。
そのまま俺の分身を掴んで外に出す。
(うっ……!)
手のひらを直接あたらないように、指で包むように、触るか触らないかのギリギリで、上下に動かしてきた。
「沼間君、沼間君は俺の友達だからさ。特別に、生贄にはしないでおこうと思ってるんだよ」
俺の目を、細い笑う形に固定された目で見通しながら、それでも手は淫靡に動かし続ける。
「沼間君を、悪魔の呼び出しのために、捧げたりなんかしない。大事なお友達だからさ。そのかわり、好きな時に君のアヌスをほじくり返したり、毎晩、お腹に精子を注ぎ込ませて欲しいんだ」
意思に反して、#友人__・__#に雄をこそばゆく触れられる俺の息は乱れてしまう。
「沼間君なら、いい#苗床__・__#になる……。それに何より、沼間君の体はパコるとひどく気持ちがいいんだ。病みつきになる。毎日したくなる。ねえねえ……俺に、毎日させてよ……」
甥彦の目は怪しく、もどかしい触れられ方の合間に、時折一瞬強く、握ってくる。
耳元に口が近づけられる。
「授業中でも、机の下に這わせて毎日しゃぶらせてやる」
「ゥ…………ッ」
「一緒の家に帰ったら、アヌスを自分から開いて待たせて「ほしい」とおねだりさせてやる……」
「ぅ…………ゥ………」
「いっぱい形の違う太いバイブも何本も入れてやるし、何なら黒人を沢山連れてきて沼間君を、朝があけるまでいっぺんに襲い掛からせて眺めててやるよ?」
耳孔に息吹きかけられながら囁かれる。
ムクムクとする雄に添えられる手つきは切り替えられて裏筋を執拗に攻められた。
先端からは欲望のフライングが溢れ出し、そり上がっていた。
「親しい友達だからね、俺達は。どうだ、君によく似合う悪くない厚待遇だろう?」
肩を掴まれ音を立てて耳たぶを舐められた……。
甥彦は俺の動かないマネキンになった立ち姿を荷物運びのようにクルンと強引に逆向かせ、手を、物のように引き、壁にペタン、ペタンと平手つかせた。
そしてズボンと下着を膝まで下げてきた。
尻肉を割る感触がし、体の中心の縫い目の部分が一回指でサラリとなぞられると、すぐに、甥彦が自分の熱い激情をあててくるのがわかった。
「いいか。これを入れたら契約成立だからな沼間君。君のアヌスに全部沈んだら、僕と君間の契約成立だ」
「ヒッひっ…」
めりこむように深々と、太いカリは沈められた。
「沼間君!おめでとう!契約成立だ!」
恥骨があたるまで一気に進まれた。
勢いよく背後から、腰を打って、睾丸を俺の蟻の門渡りらへんに打ちつけてくる。
【言葉】は出てこず止められるのに、【喘ぎ声】なら構わず口から出る。
「んはあっ!!あはあっ!!あうっ!!おっおっう!!うああっ!!あひぃっ」
「泣けよチンポ大大大好きっこの17歳男子高校生!!」
「はっ!!あっ!!あはああは!くっひぃ…」
「毎日必ず苛めてやるからな、沼間君」
「ぃ……んなッいィいい!!ふっ!!あ!あ!!」
「沼間君はMだなぁ……っ!大大大好きだ」
ギュウっと俺の腰を両腕で抱き締めた。
そしてギュン゛ッッッ!!!と目一杯抉ってくる。
「うィッ…ひギいィ!!」
憎しみや殺意がこもってるような力だ。これは……でも、甥彦の好意は確かに込められているように感じた。
腰を固められながらギュン゛ッッッ!!!ギュン゛ッッッ!!!と何回も突き上げられる……。
「………イ……クッ!イッッくっっっ!」
「……プッ……アッ……ハハハハハハ!!」
………昔の記憶を思い出していた。
………そういえば子供の頃、とても辛いことや悲しい出来事があり、気持ちが沈み落ち込んでいると
………「不思議な声」が俺の耳に届けられる出来事があった。
………「声」は、俺の心が元気を取り戻すと、段々聞こえ辛くなり、遠退き、次第に全く聴こえなくなっていった。
………果てしなく悲しい時や落ち込んでいる時だけ聞こえてくるあの「声」は、何だったのだろうか?
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