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第11話 永遠の学園

甥彦はずっと中庭地下の拷問部屋に俺を閉じ込め、魔力で、俺を動かないようにし、喋れないようにし、喘ぎ声だけを出させ、ずっと犯し続けていた。 俺を、床に体をつかせ、俺の両足だけを足枷に繋ぎ天井に吊り下げ、腰から下を浮かせる状態に持ち上げて、立ちながら甥彦は発散するように暴力的に犯している。 「大変だ!アヌスがズボズボで口が閉じなくなってるよ!沼間君!」 「ヒヒああ!!アっあーっ!!うあっうあっ」 「精液だけを流し込む下水道のようなアヌスになってる…!」 「………ーっ!!うあっうあっうああっ!!」 「おみそれしました!まったく最低最高下劣のチンポ入れられ用男子だね!あはは!」 「はっアっアっア゛ア゛ッ!いあ゛………あ゛ッあ゛」 「……駄目だ……その泣き顔……」 突然、ビタンビタンとぶっていた腰の動きを止め、抜き、滑車の鎖を回して持ち上げていた脚を下ろすと、甥彦は地に這いつくばった俺の体を背中からギュッと抱きしめてきた。 「沼間君…この俺は、誤魔化していたけど本当は友達として君を見ていない……。 君を苛めるとドキドキする。 君の泣き顔を見ると胸の奥が愛しくてたまらなくなる。 もっと、もっと…!苛めたくなってしまう……! 本当に沼間君はあの卑しい兄もこの俺も魅了する罪深い男だ。 教室に初めて入ってきた瞬間から、一目見ただけで、俺の頭の中では既に沼間君を同じようにこっぴどく犯し初めていたんだぜ。 君の何が、俺達兄弟にこんな締め付ける気持ちを抱かせるんだろう? これからは君を毎日苛めていいなんて、夢のよう!」 そう言ってガバッと甥彦は俺の口に唇を合わせてきた。俺の口内を飲み込みながら両の中指の腹で、理事長にやられた癒えない傷を持つ俺の蕾をさわさわと軽く擽る。 しばらくして抱きつきを離して、背後に下がり、突然俺の尻を叩いてきた。 力強く、真っ赤に手の跡がつくような強さで。 「……ッア゛ッ!!!」 二発叩くと、前にも手が伸ばされてきた。 俺の雄をしごき快感を味合わせながら、同時に烈しく叩く。 「……ッア゛ッ!!!……ッア゛ッ!!!……ッア゛ッ!!!」 組み合わせた手の甲に顔を埋めながら、どうしようもない快感と痛みに耐えた。 「その発情しっぱなしの頭で叩かれてイけ!イけ!!道也!!」 張り上げられた腕が破裂した音をまき散らしながら振り下ろされる度に、脊椎が、雄を探られる快感と混乱させて、迷いながら上に伝わせる。 初めて安倉野学園の制服を着込んで敷地に入った日の自分の姿が思い起こされる。 あの時安倉野学園に入らないでいられたら……。 大の後悔と知らなかった快楽の強さの背徳的な期待とが、頭の中で気持ち悪く混ざる。 とうとう一際辛く叩かれた瞬間に握られている自分の分身から白く放ってしまった。 「これからは毎日、一回必ず、今のようにお尻をぶってイかせてあげよう………」 初めて甥彦は愛おしげな表情を浮かべ満足すると、息をぜえぜえつく俺に構わず、床に顔をつかせたまま尻を高く掲げさせ、またおもむろに怒張したものを背後から挿入れ、喘がせるのを再開した。 それからは無表情の無言となり、いつまでも獣のように、ずっと動物的な抽送をやめない。 雌犬に交尾するように後ろから犯し続けた。 何度出しても、何度こちらがイこうとも、キリがなく終わりが知れない。 魔力を身にたたえた身体は果てしない精力で、ただの人間の俺の体を完膚なく征服する。 甥彦の雄の形にすぐさま、杭の入り込む内側が変わり、甥彦は、ひたすら俺の体の中で気分良く精を絞っている。 「ウッ!!!」 突然ガツッとした鈍い音と共に、背後にのしかかる甥彦が苦しげに呻き、俺の横に崩れ落ちた。 深港が立っている。 「ふか……」 様子がおかしい。 「みち、みち、や………」 「深港?」 深港は眼鏡を取り外した顔で、俺に笑いかけている。 「さね、さね、さねみち、だよ」 「実………道!?」 生きていたのか。 いや、こんな顔はしていない。これは深港の顔だ。 「おれ、おれ、おれは」 喋り方も何か変だ。 「りじ、りじ、りじちょ、うに」 「実道…………」 「首をおと、おと、おとされ、あっちの山にいる」 地下のこの部屋からどこぞの方角に指を向ける深港の体。 何てことだ。では、これは……実道の霊なのか? 「実道!ああ、実道!!」 思わず抱きしめてしまう。 何て悲しい……何て会えて嬉しい……何て#酷__むご__#いんだ。 「離れろ。沼間!そいつから……」 突如、後ろから宍戸晴樹が現れた。 ギュッと深港の姿をした実道は俺の首に腕を回し、苦しく締めてくる。 「さね………」 「これ、こい、こいつ、は、ししでに取り入る、腐った、た、虫だぁ」 「実道、離せ……!」 宍戸は大きな絵を抱えていた。 西洋人の、ハンサムな黒髪の長髪の男が描かれた、古めかしい肖像画である。 「沼間、これは、学長室に飾られている、学園の創始者ダリオ・アイブリンガーの肖像……。肖像の口元に、口づけをするんだ……!」 「やめ、やむ、ろ、口づけを、しては、いけ、いけない」 首にかかる実道の腕は益々強くなってくる。 「みちや、口、口づけを、それそれに、しし、てはいけなない」 突然、背後から衝撃が来た。 起き上がった甥彦が、俺ごと実道を蹴り飛ばしたのだ。 「よくもやりやがって……!!」 甥彦は、裸のまま、痛そうに頭を押さえている。 跳ね飛ばされた俺の腕を宍戸は掴んで自分の側に寄せる。 宍戸は「実道は、きっと理事長から長期間受け続けた拷問のような仕打ちによって、精神の平衡を壊したままでいる」俺に耳打ちした。 「狂ってるって……ことか?……」「ああ……」 「沼間君!!そいつを信じるな!!宍戸はロクでもない人間だろが!!!」 「違う!!こっちが本当の俺だ!!」 そう叫んで、こんな状況なのに宍戸は俺の唇に口づけて来た。 「道也……夢の中を覚えているか?俺がわざわざ夢の世界の出来事と暗示をかけてまわった、あの幸せなひとときを………俺を!信じろよ……!あいつは!あの!甥彦は!!学園中の人間を殺してまわった実行犯なんだ…ぜ……!!」 宍戸は甥彦を指差す。 「しし、ししで、やめろ、そいつ、からはなれれろ、キスはやめ、やめろ」 「何ほざいてんだ!!俺が山に封じられた魔神を蘇らせる儀式を完成させるために生贄にした人間は、矢本と、兄と、池野だけだッッ!!!他はおまえじゃねー!?」 甥彦は宍戸を指差し合う。 「しょう、しょうぞうが、と、ししでに、ししでにキスはやめろお」 実道が頭を抱える。 「ししでの言うことを聞くななああ。しし、しでは僕のものだ、だ、だ」 深港の姿をした実道の霊と、宍戸と、甥彦と、一体誰の言うことが信用できる? その時、相上が、また後ろから、現れた。 「道也、宍戸を信じろ」 手にはあの夢のメダルを持っている。 相上はメダルを自分の唇に近づけ、ちゅっとキスをした。 「夢の中の出来事は本当だ……。俺たちだけを信じろ、道也」 「甥彦の言うことを聞いたら、学園中の人間がくまなく惨殺される。魔神に捧げるために。そしておまえは、魔神を現世に棲みつかせるための依代にされる。延々と、#苗床__・__#にされるぞ……」 「聞くんじゃない!!沼間君!!君は毎日、俺に………、ちゃんと君のままで、生かし続けてあげるから!!」 甥彦が張り上げる。 「道也!!!宍戸を信じ、肖像画に口づけを!!」 相上が叫ぶ。 「しし、で、の言うことと、聞くなああ!!」 俺は…………宍戸の腕に持たれた肖像画の口元に口づけをした。 何も起こらなかった。 そう何も……。 何もね。 俺はツカツカと甥彦の元へ歩み寄る。 「毎日かい。ありがとうね。甥彦のエッチは気持ちいいもんなぁ。 でも、駄目だね」 手を甥彦の眼前にかざす。 睨みながらだが呆気に取られているやつの目の前にかざされた手には、六芒星が浮かんでいる。 一瞬後に、甥彦は体が粉々になり、ミリ以下の単位にまで細胞が刻まれて死んだ。 「ピコ、フェムト、アト……原子まで刻まれたな。ゼプト、ヨクト……」 俺の唱えに合わせ 最小単位まで刻まれてこの世のどこにも、完全にいなくなる………。 「ついでに、おまえもさよなら、深港くん」 深港にも翳すと、彼は瞬時に、甥彦と同じように消滅した。 「さて、哀れで愚かな馬鹿馬鹿しい子孫達はこれで片付けられたな」 〜目覚め〜 「元々この学校はあなたの学園ですからどうにかなりますよ。教師達は魔力で誤魔化せばいいんだし、一連の殺害だって、実は警察にすら微塵も知れ渡って無いんですよ」 「アルヌー」 宍戸は俺にアルヌーと呼ばれ、微笑みながら頷く。 「教師達や生徒達はもう警察は呼ばれて処理されたものと思ってるけどね……」 「オリオル……」 オリオルと呼ばれた相上も同様に。 自分の右胸に手を当て、頭を下げる。 俺の遥か昔からの眷属の二人は、俺の前でうやうやしい態度を崩さない。 二人はニッと笑いあう。 「「これからはあなたが理事長だ………」」 「「お目覚めに感謝を………」」 召し連られる二人は語る。 「道也でなければあの封印は解けなかった……。何とか解かせるように俺達が誘導していったが」 「第三のアイブリンガーの封印までは、同じ血を持つ、実道を使い、代わりに解除させたが、それからはどうにも難しい……。道也と間違えて、実道をこの学園に入れてしまったのが、うっかりしたミスだった…………」 「それもこれも、我らが主を、またこの地上へと表出させるためだ」 「なんだって封印先はあんな人の子だったのだろう………聞けば、彼の曽祖母はこの学園の卒業生だってね」 道也…… 道也………………… まだ起きてるか? ハハハハハ……心細いか? おまえの存在を、何もかも消しても、別にいいんだが。 流石にそれはしないでおこう。 これでも、何せ、17年間、俺はおまえと共に生きておまえの中で歩んできたのだから。 抹殺してもよいのだが、兄弟に対するような慈悲を、一雫、おまえにくれてやろう。 そうして、今度は、おまえが、引き換えに、眠りにつく番だ。 俺の中で…… いつ起きるとも保証のない、眠りにつくがよい………… もしかしたらいつかおまえを助ける何かが突然現れて、まるで映画の中の出来事のように奇跡が訪れおまえは目覚めるかもしれない…… そんな淡過ぎる期待を夢見て、おまえは永遠の眠りにつくがよい……… おやすみなさい、道也………… 終詩:夢幻の教室 うつ伏せになって眠っていた机の上から目が覚めた。 あたりは放課後の、教室で、まだ空は青さを残す。 そろそろ、夕暮れが降りてきても不思議はない時刻。 教室の中には誰もいない。誰も。 窓の外にも誰もいない。 いつも、誰もいない。 気付いたら学園を模したこの空間に、俺は一人ぼっちだった。 ガラッと教室のドアが開け放される。 「教室で、寝ているのか?」 扉の方向に視線移動すると、黒髪の長いハンサムな男子生徒が制服を着て佇んでいた。 立て続けに彼は問う。 「暇?」 彼はたまに来る。 学園敷地内の中を彷徨っていたらたまに遭遇する、レアキャラな人物だ。 誰もいないこの幽霊学園の中では、唯一の出会える他人だった。 名前は知らない。 「道也」 多分俺の名なんだろう名を呼ぶ。 ~目覚めよと呼ぶ声が聴こえ~ 終

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