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第7話 救いの鍵

青い扉を開いて中に入ると そこは、変な部屋だった。 まるで何かの儀式のような祭壇が置かれている。 辺りは薄暗い。 ん……? 祭壇に何かキラリと光る。 これは……! 【鍵】だ! 大きさからして出入口の鍵に違いない。 僕は鍵をしまった。 非常に不気味な雰囲気がする。 ここに長くいちゃいけない。 僕は下の階に下りる覚悟を決めた。 僕は入り口の鍵に青い扉の部屋で見つけた鍵を差し込んで見た。 ガチャリ、と重く鈍い音を立て、扉は開いた! 僕は外に飛び出す。 やっと出れた。 星空が広がっており、明るくて 屋敷の敷地内をよく見渡せた。 目の前には黒い森が。 横に目を向ければ墓石が集まった区画が脇にあり、 反対側には木造で出来たボロボロの小屋があった。 ⬜︎分岐⬜︎ *気になる小屋がある・・・このまま下にスクロールして下さい↓ *墓場に行く・・・次の話に進んで下さい。 ↓ ↓ ↓ 敷地の隅の一角に、ボロボロの小屋がある。 木造で、農作業のトラクターや草刈機のコンバインなんかを収納する小屋なんだろうか? 僕は何故だか急に気になって、中に入ることにした。 中は暗く、汚い。 廃墟のようだ。 壊れている家具などが倒れて並んでいる。 壊れた物を押し込めておく物置のように。 暫くすると目が慣れてきて、更に地下に続くだろう階段と扉があるのが分かった。 僕は意を決っし進んでみた。 鍵が開いていた。 ……………息を飲んだ。 人の骸骨だ。 人の骸骨が木で出来た台座の上に横たわっている。 四肢には鉄枷がはめられ、台に括り付けられている。 心臓が弾け飛びそうだった。 唾がせりあがり何度も飲み下す。 その時後ろの階段から足音が降りてきた。 誰か来る。 「ここは俺以外入ってはいけない所なんだ」 繁だった。 「繁さん……!この人は、まさか……」 「悟…………俺が殺した、悟…………。ふ……… だって逃げようとするから、仕方ないんだ………。 俺の腕に噛みついて、逃げようとしたから、この手が悟の首を掴んで ……思い切りひねった」 繁は僕に近づく。後数歩の距離まで来た。 「頼む、君は逃げないでくれ……。 俺と一緒に、この館から解放されよう。 君を助けてやる。 さぁ……」 繁はそう言って手を差し伸べた。 微笑を浮かべながら。   俺は何かに操られるかのようにその手を取ってしまった。 大切なものを包むように、両腕で繁に抱擁される。 繁は目を閉じて、愛おしむように俺に唇を押し当て キスをした。 「ずっと救ってくれる誰かを待っていたのは、俺のほうだ。 ここから逃げたかったのは俺のほうだ。 魂がずっと閉じ込められていたのは、俺のほうだ。 ああ…君だったんだ」 ゆっくりと舌を絡めながら囁く。 唇はやがて僕の頬を移動し、喉へとおりていく。 僕の後頭部を愛おしそうに撫でた。 しばらく恍惚と天井を見上げている僕だったが ふいに繁からディープキスをされたじろいだ。 それとともに繁の唇から液体を流し込まれる。 無味無臭ではあるが、不快な液体。 繁の舌に押し込まれてそれを飲んでしまったのだ。 うっ 心臓がドクンと思い切り強く握りしめられるように異常に跳ねた。 「弟の部屋から持ってきた、劇薬……」 繁は僕を見て切ない笑みを浮かべている。 「一緒に、逝こう」 「繁……………」  僕の意識はあっという間に薄れていったが 僕を包む両腕のぬくもりを、目の前が暗転するまでずっと感じ続けていた。 《完》 END 繁① 解放された2人

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