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第10話 2ルート目の始まり
~あらすじ~
夜の森の中を頭痛を堪え彷徨い歩いたあなた。
雨に体を打たれながら、自分の事は何一つ覚えていない。
どうやら崖から落ちたらしく、気がついたら目の前に崖がある深い森の中に倒れていた。
そんな自分の名も知れぬあなたは不思議な洋館に辿り着きます。
藁にすがる思いで、館の人間に助けを求めるあなた。
館には年若いナイフを持った美しい容貌の恵人と名乗る青年と、醜い当主と気品ある妻の夫妻、そして執事の安堂が住んでいました。
あなたは湯殿を借り、服を借り、部屋の一室を借ります。
夜寝ていると、あなたは誰かの気配に起こされました。
それは恵人で、あなたはナイフを突き付けられ、肌を切られ脅されて無理強いされ抱かれてしまうのでした。
翌朝、ベッドの上で気がつくと、逃げようとしますが、安堂に食い止められ
「あなたはもうこの館の一員なのです」
と怪しく微笑まれ、鍵を外側からかけられてしまうのです。
ええ、この部屋は内鍵がけっしてない、この部屋ですから………………………
……………………。
……………………………………。
………………………………………………………。
朝方に閉じ込められて、そのまま、どうしようもなく、成す術もなく、途方に暮れきった頃だ。
もうすっかり、夜は更けている。
窓の外は漆黒だ。
トントン
ノックがする。
「今、助けてやる」
低い声がする。
あれから眠っていたらしい。
気がついたら外は夜だ。
誰だかわからないが
ここから出してくれるのか?
………………。
僕は男の誘いにのらないことにした。
「すみませんが、今日は疲れているので、このまま横にならせて下さい」
「……………そうか」
男は小さく返答した。
そして足音が遠くに向かっていった。
遠ざかる声で男が
「さとる……どこに行ったんだ…さとる……」
と呟いているのが聞こえた。
謎の男が過ぎ去ってから、僕はいつの間にか部屋で寝てしまっていた。
…………………………。
目覚めたら朝ではなく、夕暮れだった。
日が落ちたようだ。
寝過ぎていた。
その時。
扉を叩く音が聞こえたと思ったら
すぐさま間髪を空けずにガチャと扉が開かれた。
恵人だった。
「おい。食事を持ってきた」
と手持ちで銀のトレイを運んできた。
昨日のラインナップよりは豪勢になっており
ローストビーフや様々なチーズ、オリーブ漬けやパプリカのマリネ、エッグスタンドにはまったゆで卵にオレンジのコンポートにパンとカップスープ、葉物のスムージーと水のピッチャーが並べられていた。
「食べ終わるまで待っているから食べたら風呂いくぞ」
恵人はニヤリと思惑があるような眼差しで笑う。
男は僕が食べ終わるまで傍らの椅子に、
背もたれ方向とは逆に座っていた。
手には相変わらず例のナイフがキラリと持たれ
刃先をクリクリと指でもてあそんでいる。
「そのまま来いよ。安堂に着替えは用意させるから」
脱衣場に入るなり恵人は僕に向かいこういった。
「裸になったら俺の服を脱がせろ」
「そんな…」
「早くしろ」
腕には変わらずナイフをチラつかせ男は笑う。
僕は黙って服を脱いだ。
脱いでる間にも男の視線が上から下へと往復するのが顔を背けてもわかった。
下着を下ろす時が一番恥ずかしかったが、思い切り一気に引き下げさっさと裸になりやりすごした。
男の衣服に恐る恐る手をかけ脱がせていく。
恵人は顔色を変えないが目だけは楽しそうに俺を見ている。
形の良い筋肉がついた胸板や腕が露になるとなんだか気恥ずかしくて顔を背けた。
ベルトに手をかけズボンを下ろしていく最中に信じられないことをいった。
「風呂に入る前に一回口にくわえろ」
そういって僕の腕を掴み、強引に手をそこにあてる。
「俺を気持ちよくして見せろ、ほら」
驚いてたじろいでいる僕に顎をしゃくってせかして見せる。
「それとも、また傷を増やされたいか?」
酷薄に笑う。
少しずつ手を動かすと
「全然気持ちよくないな。もういい。四つん這いになりながら触らず、地面に手をついて口だけで俺のをしゃぶれ」
と命じた。
僕は言われた通りに地面に両手をついて、震えながら恐る恐る唇を先端に近づけた。
「ねっとりと、舌を回すように絡めるんだ。そうだ。それが気持ちいいぞ」
男は満足したように僕の頭をさすり、時折乱暴に掴んで無理やり僕の喉奥まで押し込んできたりする。
まるで犬のようにされている。
両手を使わずエサの皿を舐めさせられているかのように。
こんな情けない姿が恵人の満足を満たす行為のようだ。
自分と同じようなむせかえるような男のにおいを鼻腔に感じた。
ツンとする、男の体液のにおいだ。
だらだらと先から溢れているものがある。
舌をつい止めて恵人の顔を見上げると
「一回、出しとくぞ。飲め」
言うなり、僕の反応も待たずにいきなり喉に直接溢れ出されられた。
むせそうだがしっかり頭を掴まれ吐き出させてくれない。
ひくつきながら飲み込むしかなかった。
湯に入ると恵人もしばらくは黙って浸かっていた。
が、熱いお湯に身体が少々ゆだり初めてきた頃合いだろうか。
更に恵人の非情な命令は続いた。
「湯から上がって横になり自分から足を開け」
「そん…な」
屈辱を感じるもおとなしく従う。
恵人はシャンプー容器から何滴かカシュカシュと手のひらの上に押し出すと、
片手で泡を立て僕の体を泡と共にいじりまわした。
胸部からお腹、脇から太股、そして一番敏感な部分へと。
「ふ…っ…うっ…うっ…」
長い指がシャンプーのぬめりによって何本も侵入して来る。
「ほら、何本オマエの中に入ってるか、わかるか?言ってみろ」
「に……ほ……っ」
「残念。3本だ。ホラ4本だ」
次々と指を増やし弄んでいく。
激しい手付きでかき回したかと思えば、あの行為の動きのように規則的に前後させたりもする。
指の動きがある一点を掴んだ。
「ここは知ってるか?
知らないならこれから充分に教えてやるよ。これでしか快楽を感じないようにな」
「ぬい……、ぬい………て……く」
確かに変な感覚が起こるのだ。
全身に鈍い電流が走るような。
恵人はそこだけを繰り返しいじくっていく。
「やめ………ろ…………」
睨む僕の顔を見て恵人は興奮が最高潮に煽られてきたのか
いきなり指を一気に引き抜いて僕の上に荒くのしかかってきた。
シャンプーのおかげで潤み滑らかになっているため
人並みより大きいであろう恵人のそれが昨晩よりは痛みが少なく入ってきた。
それでも酷い違和感と疼痛は伴うが、恵人が体重をかければ抵抗なく、奥へより深くへと沈み込んでいく。
恵人が律動を開始すると
尻の神経が全力をあげて敏感に異物を感じ取る。
排泄感覚に似た、何とも言えない不自然な異物感だ。
「やっめっ……!くれぇぇ……っ!」
「昨日受け入れたばかりじゃないか?もう懐かしいか?この味が」
バタバタと恵人の動きに抵抗しようとするもどうにもならず虚しく空振る。
「尻はこの感触を覚えているだろう。
なあに、その内コレが欲しくなって……欲しくなって……
たまらなくなる。
俺と繋がっているのが当たり前の状態だというくらいにな」
舌で自分の下唇を舐めながら男は呟く。
下からグイグイつきあげられる度に僕は鳴いた。
「…………くっ!」
いつのまにか涙が目の切れ端から滲む。
「オマエ……滝田一也というらしいぞ……」
え………それは
「安堂が着ていた服を処分しようとしたら、尻のポケットにふやけた名刺が丸められてあったらしい。
オマエの名だよな。多分」
男は満足げにニタリと嗤いながら、速度を上げた。
そうやって僕の中に放出しながら男は満足し果てた。
僕は男が脈打ちながら放つ感覚を自分の内側で芯から味あわされ震えた。
浴場から解放されると家のどこに出ても良いことになったが、安堂に見張らせる、と男は言った。
記憶が戻るまでずっとここに居ていいんだぞ、と。
ボロボロクタクタの状態で、ふらつきながら自室に戻るとすぐさまノックがした。
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