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第21話 操られた教師(H有)
猪狩は次の日、普段通りに社樹学園に通勤するためひもろぎと同時に家を出た。
ひもろぎとは途中から別方向に別れ、こうして住宅街を学校目指して足早に歩いている。
あの事件は集団幻覚として処理され、謎の集団ヒステリー現象扱いされている。
集団が幻覚に襲われ、自分で自分自身を傷つけ、校舎を破壊したと。
それでも事後処理に、教師達は全員追われていた。
まだ入院して復帰できない教師もいる。
臨時に派遣された教師に手伝ってもらいながら、日々の業務も、日増しにぎゅう詰めになっていた。
猪狩はふと、疲れたな……と肩で息をつく。
妹は見る見る元気になったが、妹が倒れてからの緊張が、ここで現れ始めていた。
そう、迫る魔の気を感じ取れないほどに。
「猪狩先生」
耳のすぐ後ろ、すぐ背後の至近距離から声をかけられ、肩に冷たい手をかけられた。
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定児は今日もチャイムの音が鳴ると同時に教室を駆け出す。
無論、早速吐黒山に向かうつもりだ。
階段を三段跳びで走り下りるところで
「こーら、階段を走らない!」
とよく聞いた声が定児に向けられた。
振り向くと、そこには猪狩祐司が、クスクスと笑って立っていた。
「まったく、やんちゃですね、君は」
「猪狩先生!」
「お話があります、定児君。先日また、怪死事件がありました、呪詛の……」
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使われていない視聴覚室に、猪狩先生と二人で入る。
猪狩先生は「ここなら邪魔されずゆっくり話せるでしょう」と扉の鍵を閉めた。
「誰が、誰が殺されたんですか!?」
「田城、建造。花涼の霊が言い残した最後の一人の、とっても悪~い人です。相当汚いことに手を染めて生きてきた、裏稼業の人間ですね。今迄殺された要人とは、毛色が少々違いますね。でも、間違いなく、これまで殺害された者達と同じく、今日の清町市を作り上げてきた人間の一人ですよ」
「田城……建造」
「フッ……。ところで、体の調子はどうですかね?君はこれまで、散々敵の懐に捕えられてたんだから、いじくられて異常が現れてもおかしくない筈だ。戻されてから、体にどこか異変は無いようですか?」
「い、異常って……」
思い当たるような顔をする。
「金龍さんから聞きましたよ。邪呪をまだ、君はかけられ続けているようだね」
渉流の背後に猪狩は近寄る。
「見せてくれないか……。肩にある呪刻とやらを。私の家系に伝わる解法で解けるかもしれないから……」
「う、……はい」
定児は猪狩に従い、学生服の上着を脱ぎ捨て、ネクタイを外し、ワイシャツのボタンを外し、ワイシャツの襟を肩をあらわにする形で半分まで脱ぎ下ろした。
猪狩の手が刻まれた刺青に触れる。
「これが……愛欲を昂らせる邪呪の刺青。果たして消せるんですかね、これ。しっかりちゃんと彫られてますけど」
言いながら撫でるように四本の指で刺青全体に手を当てる。
ブルッと定児の身体は震えた。
寒さとは違う、震えだ。
猪狩の指先は爪でカリカリ邪印を引っかきこする。
「やばいな……この刺青、もしかして触る人間の愛欲も、昂らせるのか……」
猪狩は定児をいきなり後ろから抱きしめ、刺青に唇をそわせた。
「や、やめてください!猪狩先生!」
驚いて、振り返る定児。
「ごめんね……定児クン……俺もなんだか、術にかかっちゃったみたいだ」
猪狩は強く抱きしめながら、定児の胸の突起に指を入れて、くりっと乳首を引っ張り出すように強く引っ張った。
「うゃっ!ちょっと」
首筋に吸い付き、舌を這わせながら、胸をこりこりとつまむ。乳輪ごと揉み込まれながら、定児は声を荒げた。
「先生!先生ってば!」
制服のボトムの前から、ジッパーを外し、手をもぐりこませ、薄ら硬くなりつつある肉のものを取り出し、やにわにと揉みしだいた。
「あっ」
そのまま長い指で包まれ、上下に動かされ、先端も指でほじられると、定児の声は弱々しくなった。
「ちょっ……!うっ!ううー、せんっ」
刻印の力もあり、先走りが驚くほど速やかに、堰を切ったように、猪狩の手の内へ溢れ出してくる。
「これはすごい……」
猪狩は大量の透明な液に苦笑いし、見ると、定児は中腰になり、膝が既に笑いかけていた。
楽にするためにも視聴覚机に定児の体をうつ伏せにして押し倒すと、ズボンを剥いで、尻たぶの折れ目が見える位置まで一気にずらす。
全開された臀部を猪狩の手が揉み込み、尻と脚の境界線である折れ線を親指で切るようになぞり、谷道を指で往復すると、定児の足が更に震え、腕から力が抜けた。
猪狩が、親指で、重なり隠そうとする肉の丘を横に追いやり、色の変わった中心の筋の盛り上がりを、指を繰って外に晒してあげると、常では秘められた箇所への視線を感じた定児の体から発される気が一気に淫色ばんだ。
窄まった敏感な皺の折り重なりに触れ、押していくと、定児は「ひうっ」
と一際高い声を喉から鳴らした。
つつくように入り口を刺激してやると、定児の顔は赤く、欲情をたぎらせる色を帯びてきたので「入れてほしいでしょう」と指先を唾液で濡らし、入り口を摩擦しながら中に半分まで沈めていった。
声にならない声を、定児は発した。
流石に何本も通り抜けているそこは、抵抗感がさほどでも無くなりつつある。
しっとりと指に吸い付いてくるようなシワの隆起。
「……猪狩先生、まさか……あやつられっ」
弱々しくだが振り向いてまだ体を硬く立ち上がろうとする定児の尻を、平手が打って#敲__たた__#いた。
「いけませんね。セックスの最中に、動いていいと誰が言った?」
続けざま、平手が尻を、2発、3発と敲くと「んっ」「んっ」と歯を噛んで堪えるように震え、大人しくなった。
「もうダラダラじゃないか、前も」
猪狩はベルトを外し、定児の尻を狙って照準を重ねた。
「ふ……ぅ!……」
硬度を誇る粘性の長物を、入り口にこすりつけるだけで、ぴくぴくと引き攣る定児の足のつま先を、教師は横目で見下ろし愉快に鑑賞する。
教師は生徒の両脇を掴み腰を前に突き入れた。
「んんんっっ!!」
「定児君、教師ごっこはもう飽きました」
「き……ど……ぅ………うはぁっ!!…うっあはぁっ!!ァア!!ァアァアッ!!」
「従兄弟とは、気持ちよかった?」
腰と腰がぶつかる度に定児は呻く。
「いっ……痛………!」
「痛い?刻印の作用でそんなでもないだろ」
たしかに痛むずく、擦られる部分から火がチリチリするような、気持ち良いくらいの痛覚の刺激に留められている。
「まぁでも、ちょっと痛いぐらいのほうが、君は燃えるんじゃないの」
そういって乱暴に腰を打ちつけて、あたりに打ちなりあう音を響かせる。
「お……う………!!うっウッ!うアーッ!!!ああっ!!」
強引に推し入り、強引に引き抜くほど、定児の背筋と、腰は、快楽のうねりにのたうち、跳ね、押しつけられた机に自らを自らでぶつけた。
「あっ……ああっ………」
「私のを離さないで、締め付けてくる。とっても、気持ち良いアヌスだ……」
「あっー!うあーっあーっ!!!アァアアアアッ!!!やめっもうヤメロー!!
アッアッアァ」
機洞が腰を叩きつけると、ますます、定児の顔はくしゃくしゃに歪み、歯と歯を食いしばる。
「素敵なアヌスだ……男の性器をくわえるために存在しているだけの」
冷笑しながら激しく腰を打ちつける。
「やめ………っ!うっ!……やめ…………!!ウッ…………うっう~!!」
自分の両腕を交差させた中に顔を埋めて耐えるだけの定児の尻を容赦なく、猪狩の肉体をとった機洞が、責め入れ、内臓を揺さぶり穿つ。
「ウッウッうあぁアーっ、嫌ッ!!それ……イヤッだッ………はぁぅ……」
機洞の手が両乳首を摘むと、嫌々をするように埋めた頭をふっている。
しまいには両方の乳首を手先で好きに責められ、速くこねくりまわされながら、背後から楔を何度も肉の間に挟まれ打たれ、男性器の豪圧が体内を幾度も巡ると、定児の唇は上下に閉じられなくなった。
「あっ…あっ……やめ…………ろ………」
とぼんやりした声を吐きながら、魂が抜けたように、最後、定児は後孔の快楽に果てた。
猪狩の肉体の機洞は定児の中に精を黙って絞り切るように吐き出す。
機洞がビクンビクンと震える定児の両目を手のひらで覆い隠すと
(またか……)
急速に定児は意識を消失するのだった。
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