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第8話

「ほら、準備終わったから!」 「あ、あの!椎名くん!」 光生に急かされながら帰る準備を終えて声をかけた瞬間誰かと声がかぶる。声のしたほうを振り返ると黒髪のさらさらなロングヘアーのかわいらしい女の子がいた。 「なに?」 返事をする光生はなぜか少し不機嫌だ。 「あの、、今日見かけた時からかっこいいなって思ってて良かったら連絡先教えてほしいなって、、」 友達に付き添ってもらいながらきっと勇気を出して声をかけたのだろう。こんなかわいい子に緊張しながら話しかけられるなんて嬉しいよねと思いながら光生を見る。 「ごめんね、今日スマホ忘れちゃって。また今度でも良い?」 こんなかわいい子と連絡先を交換できるのにスマホを忘れるなんてびっくりして俺は光生と女の子の顔を交互に見てしまった。 「あっ、いいのいいの!いつでも!急にごめんね!また今度教えてね!」 そう言って声をかけてきた女の子は友達とどこかに行ってしまった。 「やっぱりイケメンはすごいね!」 「ん?そう?ほら早く帰ろ。」 光生は何事もなかったかのようにカバンを持って先に行ってしまった。 「ちょっと待ってよ!なんで今まで待っててくれたのに急に置いていくの!」 「ほら、早く。涼ちゃーん!」 「恥ずかしいから大きい声でちゃん付けで呼ばないでって!!」 先にスタスタ歩く光生に文句を言いながら急いで俺は追いかける。

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