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第9話

やっと追いつき正門を出て今日必死に走ってきた通学路をのんびり歩けばふわりと吹く風が心地良い。 「朝は急いでて気付かなかったけど桜すごいたくさん咲いてるね!」 「そうだね。朝この満開の桜の木の下で派手に転んだ人がいたよね。」 さっき女の子に話しかけられた時はなぜか不機嫌に見えたのにもう機嫌が戻ったのか笑顔で俺の失態を話しだす。 「ちょっと!思い出させないでって!ていうか光生もその記憶を今すぐに消して!」 「やだ。この通学路を通るたびに思い出すもんね。」 「それはもうもはや3年間毎日思い出すことになるじゃん、、」 「ふふっ、そうなるね。」 「最悪だ、、、」 横をチラリとみると桜がヒラヒラ散っていてそれを見ながら歩く光生がすごく様になっていて無意識に見惚れてしまう。 「ねぇ、そんなに見られたら俺照れちゃうんですけど。」 「えっ、見てないよ!光生越しに桜の木見てたんだよ!」 危ない。光生がイケメンすぎてつい見惚れてしまった。 「ふっ、そっか桜か〜。」 「ほ、本当だからね!」 「はいはい、桜見てたんだね。だからほっぺたが桜みたいなピンク色になってんだ?」 「え!?いやそれはその、そうだよ!桜見すぎるとピンクになるんだよ!」 照れてるなんて絶対言えない。それなのに気づかれてしまったのか光生はおかしそうに笑っている。

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