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第51話
「ふふっ、怒ってる涼ちゃんかわいい。」
「なっ、、!もうっ!!」
俺をからかうことが楽しいのか今日も機嫌が良い。
「またえっちなことしようね。」
「もうしない!!」
「あっそう。言ったからね。どんだけ誘ってきてもしてやらないからね。」
だから声が大きいしこれじゃ他の人達に聞こえてしまう。
「いいもん!誘ったりしないからっ!!」
「ふーん。」
ふーんってなんだ。どちらかというとこの状況で怒るのは俺のほうだぞ。俺は早歩きで光生より先に学校に向かった。教室について席に着くと光生も少し遅れて後ろの席に座る。その瞬間女の子達が集まってきた。
「椎名くん!おはよ〜!」
「ん、はよ〜。」
光生が眠そうに挨拶を返すと女の子達は嬉しそうに自分達の席に帰って行く。わかる、眠そうな顔もかっこいい。その光景を間近で見ていると光生と目が合った。
「なんで先に行っちゃうの。」
「光生が歩くの遅いだけ!」
「まだ怒ってんの?あ、それとも今のにやきもち妬いた?」
「妬いてない!!」
うそ、本当は少し妬いた。俺も朝おはようって言えばよかった。
「ふふっ、今日はご機嫌ななめで困りましたな。」
やれやれなんて言いながら光生はあくびをして机に伏せた。
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