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第54話
俺とは反対を向く光生を見ると日の光でこげ茶色の髪が透き通っていてきれいで思わず触ってしまう。
「光生の髪さらさらできれいな色!」
髪を触ると光生は少し振り向き寂しそうな顔をして頭を押し付けてくる。
「んふふ、どうしたの。元気ない?もっと撫でてほしいの?」
冗談で聞くと無言で頷くからもう一度撫でる。なんでそんなに元気がないんだ。もしかして俺の大好物をそんなに知りたかったのだろうか。
「俺の大好物他にもいっぱいあるよ!からあげとかエビフライとか!シュークリームも!」
「ふふっ、俺にも教えてくれるの?」
「うん!あと光生も大好きだよ!光生のふわふわな髪の毛とかきれいな指とか!」
「あははっ、俺のことも大好物なの?」
「あ、食べ物じゃないよね!へへ、間違えた!」
急に光生は俺の方を向き髪を撫でていた俺の手を握り強引に繋ぐと顔を近づけてくる。
「ねぇ、キスしていい?」
「さっきは聞かなかったくせに。」
「やだ?」
少し寂しそうな顔をする光生に俺は負けてしまう。
「1回だけなら、、いいけど、、」
光生はニヤっと笑い俺にキスをする。
「っん………ふぅっ………んうっ…!!」
急に光生の舌が俺の口に入ってきて全力で体を離す。
「なんで離すの。まだ途中なんだけど。」
「はぁっ、はぁ、1回が長い!!息が止まるかと思った!!」
「あははっ、かわい。元気でた、ありがと。」
すっかりいつも通りになった光生はニコニコとご飯を食べ始めた。
「ねぇ、光生の大好物ってなに?」
「ん〜?いちご以外。」
え?いちご以外の食べ物が大好物なの?ていうかそんなにいちご嫌いだったの?
「あ、もしかしてさっきの飴まずかったの?」
「は?鈍感すぎない?」
「え?なにが?」
まあいいやなんて言ってご飯を食べる光生をみて俺もまだ食べてなかったことに気づき急いで食べる。
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