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第55話
午後の授業も終わりみんな帰ったり部活に行ったりしているなか光生はなぜか数学の先生に呼ばれて職員室に行ったきり帰ってこない。一緒に帰る約束をしていた俺は席に座って待っていると担任の先生がいくつものゴミ袋を抱えて目の前を通る。
「せんせー!俺も持つ!」
「あら、ありがとう!力持ちね!」
ゴミ袋を3つも持っていた先生の手から2つとると褒めてくれた。
「こう見えて俺すっごい力持ちなんだ!」
「ふふっ、佐倉くんは優しいのね。」
「しょーこ先生も話し方優しい!」
「あらあら、かわいい呼びかたしてくれるわね!」
少し話しながらゴミを捨てに行き先生と教室に帰っていると光生が職員室から丁度出てきた。
「椎名くん、授業中寝てたんだって?」
「うん。罰として1ヶ月放課後職員室で雑用だって。」
「えぇー!1ヶ月も!?光生ずっと寝てたもんね、、」
「ふふ、数学の先生に言われたのね。私も手伝える時があれば手伝うわ!」
優しく笑うしょーこ先生は光生の肩をポンポンと叩く。
「しょーこ先生なんで数学の先生ってわかったの?」
「あの先生少し厳しいから。ほら今日はもう帰りなさい。また明日ね!」
「はーい!しょーこ先生また明日ねー!あっ、光生早く帰ろうよ!」
先生に手を振り俺たちは下駄箱へ向かう。
「うん。涼は1ヶ月の間先に帰っててね。」
「え、俺待ってるよ?どうせ部活も入ってないし。」
「んーん、時間遅くなると思うし。1ヶ月後、一緒に帰れるって思いながらがんばる。」
「そっかー、、わかった!じゃあ朝は一緒に行こうね!」
「ふふっ、涼が寝坊しなかったらね!」
「も、もう!しないって!!!」
全力で否定する俺を見て隣で爆笑している光生と一緒にまた早く帰りたい。
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