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第60話
「よし、勉強するか。」
「ははっ、急にスイッチが入った。」
はしゃいでる場合ではない。早速問題集を広げて解いていく。光生は向かいあって座り提出物のプリントをすらすらと書いていてすごい。
「本当に頭良かったんだね、、」
「ふふっ、疑ってたの?わからないところあったら言って。」
「う、うん。ありがとう!」
そうしてなんとか30分くらい1人でできるところまでしたけどもうわからない。
「光生、ここわかんない。」
「ん?どこ?」
光生は手を止め、前のめりになってのぞいてくる。
「ここはこの公式に当てはめるんだよ。」
「こっちの公式なの?ん〜、1回自分でやってみる、、」
光生はニッと笑いまた自分の勉強にとりかかる。
が、俺はすぐにわからなくなる。それに気づいた光生は隣に座り直し丁寧に解き方を教えてくれた。ふわっと光生の香りがしてさっきより近くなった距離にドキドキしてしまう。
「そうそう。そのまま解いてみて。」
「ん〜、、あっ、できたかも!どう?」
「ん。正解。」
「わーい!ありがとう!」
喜ぶ俺に光生は微笑んで頭を撫でてくれた。その優しさに甘えたい気分になってしまった俺は目をじっと見つめてみる。ん?っと少し首を傾げる光生はそんな気持ちに気付く訳もなく「この問題難しかった?」なんて聞いてくる。
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