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第74話 光生side

教室に戻ると涼は誰かと話していてジュースを買いに行ったことに少し後悔する。 自分の嫉妬深さに呆れるが涼が誰かと楽しそうに話していると相手が男でもやっぱり心配になってしまう。 俺が近づいても気づく様子はなくジュースを顔に当てるとビクッとしながら振り返った。 「あっ!光生!遅い!」 「ん。ごめんごめん。」 涼は冷たかったのかほっぺたをさすりながら少し怒っている。 「すげぇー!本物だ!光生ってあの噂の超モテモテの椎名光生くんでしょ?俺は星月翼!はじめまして!」 涼と話していたそいつは俺に笑顔で自己紹介をしてくる。全く興味ないけど作り笑いでニコッと笑いかえす。 「星くんって言うんだって!漫画の主人公みたいな名前だよね!」 俺に笑顔でそいつのことを褒める涼に少しモヤモヤしてしまう。 「あははっ、また言ってる!あっ!俺、八坂先生に用事あるんだった!」 「あ、そうだったね!ごめん!ついゲームのこといろいろ喋っちゃった!」 「全然!またゲームの話しようね!さくらちゃん!」 その星くんって人が涼と話すところを俺は黙って見ていると翔子先生に用事があるのかすぐに小走りで教室を出て行った。ていうか何がきっかけで仲良くなってんの?しかもさくらちゃんってなんだよ。 気になることはいっぱいあるけど涼がそいつの事を話すのが嫌な俺は何事もなかったかのように席に座った。 「ジュースあげる。どっちがいい?」 「え!くれるの?ありがとう!」 涼はリンゴジュースを選ぶとストローをさしてすぐに飲んだ。 「ん!おいしいー!光生も飲んで!」 飲んでいたリンゴジュースを俺の顔の前にもってくる。その無邪気なところがかわいくてたまらないけどそれをきっと星くんにも見せていたことに嫉妬してしまう。 そんな俺の気持ちなんか知るわけもなくひと口飲むと首を傾げておいしい?なんて俺のことを見ながら聞く涼を今すぐに抱きしめたくなる。 「うん。おいしい。」 「だよね!勉強して頭使ったから甘いものに癒されるよねー!光生、ありがとう!」 俺はジュースよりストローでおいしそうに飲む涼の姿を見るほうが癒されるけどこれは秘密にしておこう。ニコニコとまた飲み始める涼は俺と目が合うとふふっと笑ってくれる。その顔を見ているとモヤモヤしていた気持ちは不思議となくなっていった。 「こっちのジュースもあげる。家で勉強する時に飲んで。」 「えぇ!いいの!?ぶどう味だ!」 涼は嬉しそうにカバンにいれるとパッと顔をあげる。 「そういえばわからないところがあるんだった!」 「どこ?見せて。」 俺たちはそれから少し勉強して一緒に家まで帰った。

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