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第103話
長い授業が終わりやっと学校が終わった。光生からは朝連絡がきて返事をしてから返ってこないままだ。体調が悪いしきっと寝ているだろうから今日は星くんの試合を観に行こうと思っていた時に翔子先生が申し訳なさそうにやってきた。
「佐倉くんに今からちょっと手伝ってほしいことがあるんだけど、、」
俺が翔子先生の頼みを断るわけがない。試合は終わってから間に合えば観に行こう。
「いいよー!なんでもする!」
「本当!?助かるわ!用事とかなかった?」
「んーん!大丈夫!」
翔子先生はニコッと笑い一緒に職員室に向かった。
「これ今日休んでた椎名くんの授業のプリントなんだけど、、授業中に書いたところとか同じように書いてほしいの。」
「光生の?わかった!」
「ふふっ、ありがとう!佐倉くんが書いてくれたって知ったらきっと喜ぶわね!」
俺達の仲が良いことを知っている先生に本当は付き合ってる事を言いたいけど男同士だし光生に聞かずに勝手に言っていいのか分からず優しく笑う翔子先生に秘密にしているのが心苦しくなる。
「そうかな?じゃあ綺麗な字で書かないと!」
気合いを入れる俺を見て翔子先生はふふっと笑い隣で別の仕事に取り掛かる。しばらくすると職員室の隣にある体育館からピーッと笛の音が聞こえてきた。俺が顔を上げ体育館のほうを見れば翔子先生も同じほうを向く。
「バスケ部の練習試合始まったのね!うちのバスケ部は強いから先生観に行きたいわ〜!」
「え?そうなの?俺も友達に誘われて観に行こうと思ってたんだけど強いんだ!知らなかった!」
「あら、そうだったの?せっかくの予定を私ったら、、気づかなくてごめんなさい!」
「いや、全然大丈夫だって!!気にしないで!これもうすぐ終わるし後でちょっとだけ観れたらいいから!」
申し訳なさそうに謝る先生にほとんど終わったプリントを見せれば少しホッとした顔をする。
「これ終わったらしょーこ先生も一緒に観に行かない?」
「先生も一緒に行っていいの!?佐倉くんがんばって早く終わらせるのよ!」
目を輝かせて早くと急かす翔子先生はおもしろくて大好きだ。俺は急いでプリントを終わらせた。
「先生!終わった!」
「わぁ!佐倉くんありがとう、本当に助かったわ!」
プリントを渡し俺達は一緒に体育館へ向かった。
「ねぇ、バスケ部ってそんなに強いの?」
「去年は大会で優勝してたわね!今年は星月くんがすごく上手で1年生なのにもう試合に出てるのよ!」
「え!?星くん!?」
聞き覚えのある名前にびっくりする。あんなに爽やかでスタイルも良いのにバスケもできるなんてすごい。そのうえいつも明るいんだから絶対にモテモテだ。
「あら、隣のクラスなのにもう友達になったのね!」
「うん!今日も一緒に学校来たんだ!」
「ふふっ、なんだかそれは椎名くんが怒りそうだわ!そういえば、、椎名くんもバスケすごく上手なはずよ!」
光生が!?上手だなんて知らなかった俺は詳しく聞きたかったのに丁度体育館に着いてしまい聞くタイミングを逃してしまった。
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