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第114話 光生side
「今ごろ星くんと仲良くしてんのかな、、」
涼達が部活に行ってから1人取り残された俺は帰る気にもなれずボーっとしているといつのまにか教室にいるのは俺だけになっていた。
静かな教室だと余計ネガティブな事を考えてしまう。星くんと何を話してるんだろうとか簡単に頭やら手やら触らせてないかなとかバスケしてる星くんのことかっこいいとか思ってたらどうしようとか考えたってどうしようもないのに俺の頭は不安でいっぱいらしい。
「あら椎名くん1人?めずらしいわね!」
「しょーこ先生、、」
教室に入ってきていつもと変わらない笑顔で話しかけてくれる翔子先生に俺の心はホッとする。
「あ!昨日休んでた分の授業のプリント渡すの忘れてたからちょうどよかったわ!はいどーぞ!」
手に持っていたプリントをもらうと見覚えのある字に俺の心臓はドクンと鳴る。じーっとプリントを見る俺に翔子先生は優しく話しかける。
「うふふっ、気づいた?これ佐倉くんが放課後に残って書いてくれたのよ!」
「うん。すっげえ綺麗な字。」
涼が書いてくれた字をゆっくり指でなぞると翔子先生はうふふっと笑った。
「本当はバスケの試合観に行く予定だったみたいだけど試合は少しだけ見れたらいいからって椎名くんのこと優先してすごく丁寧に書いてくれたの!」
「そうなんだ。先生教えてくれてありがとう。」
「ううん!じゃあまた明日ね!」
翔子先生は教室を出ていきそれから俺もすぐに家に帰った。家に着いてもすることは特になく部屋にゴロンと寝転がればまた考えることは同じだ。
「俺だってバスケできるんだけどな〜」
現役の星くんに比べたら勝てるのかわからないけど俺だってそれなりに上手な気がする。バスケをしている人が好きなら俺もいっそのことバスケ部に入ろうかなんて考えてはその必死さに笑えてくる。
このままでは本当に病んでしまいそうで気を紛らわせるために涼がキスして食べさせてくれた味の飴を探して食べてみれば保健室のことを思い出す。
「やばい、涼に触りたくなってきた、、」
あの時、中途半端に涼に触ったせいかこの飴の味が涼とのキスを思い出させるのかわからないけど今ものすごく涼に触れたい。
もうこのままではどうしようもない俺は目を閉じ何も考えないように集中するといつのまにか寝ていたらしい。
スマホから鳴る着信音で起きれば表示される名前は涼ですぐに電話にでる。
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