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第120話

「んっ…光生っ……」 1回のキスじゃ足りなくてねだるように名前を呼べば光生は俺に覆い被さりニコッと笑った後にまたキスをしてくれる。 「っん……ふぅ……」 何度も角度を変えて深くなっていくキスに俺はどんどん気持ち良くなる。光生はたまに唇を離し俺の顔を見て微笑むとすぐにまたキスをしてくれる。 「はぁっ……光生…なんか喋ってよ…恥ずかしい……」 さっきから無言で何度もキスをしてくるからいつのまにかテレビが消された部屋には2人の吐息とキスの音だけが響き恥ずかしくなる。 「ふふっ、やだ。涼の頭の中もっと俺でいっぱいになってほしいもん。」 ニッといじわるっぽく笑う光生は俺の頬を優しく撫でながら再びキスをした。 「涼がマネージャーしてる間俺ずっと寂しかったんだから。涼のこと星くんにも夢にも取られちゃうし。」 結局こうやって俺のお願いを聞いて喋ってくれる光生は優しい。 「ごめんね。でも俺ずっと光生のこと考えてたし今日だって本当は、、」 「ん?本当は?」 言うか迷ってしまうけど不思議そうに俺を見る光生に今日くらい素直になってみたくて勇気を出して伝えてみる。 「……本当は一緒にお風呂入りたかった、、」 「え?そうなの?言ってよ。」 「……だって俺のこと1人でお風呂に行かせるし光生は入りたくなさそうだったもん……」 正直に言ってみれば光生はふふっと笑い俺の顔を両手で包むようにふわりと優しく触れる。 「そんなわけないでしょ。俺だって一緒に入りたかったけど涼が明るいところで裸見られるの嫌がるかなと思って必死に我慢したんだから。」 「光生……」 初めてえっちなことをした時に暗くしてと言ったことをまだ覚えていてくれて確かにこういう時はいつも電気を消してくれていたことに今さら気づく。 「ふふっ、じゃあ後で一緒に入ろっか。」 俺の頭を撫でて優しく微笑む甘い光生が大好きでしょうがない。 「あのね、、お湯が真っ白になる入浴剤持ってきたからお風呂明るくてもたぶん平気、、」 「あははっ、なにそれ!すっごいかわいい!」 そんなにおもしろいか?と思うほど光生は笑っていてつられて笑うといつのまにかさっきまでの恥ずかしい気持ちは少し薄れていた。

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