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第134話 光生side
「あははっ、光生泡でモコモコだ!」
一緒にお風呂に入ると涼は俺の体を楽しそうに洗いニコッと笑いかけてくる。その無邪気な笑顔がかわいくて俺はさっきからずっとされるがままだ。
「ふふっ、本当だ。泡だらけになっちゃった。」
デレデレな顔で涼のことを見ているのが自分でもわかる。ていうかさっきまでは裸を見られるのを恥ずかしがってたくせにお風呂では大胆になるのが謎でそれもまたかわいい。
「あ!見て!泡がシャボン玉みたいになった!」
飛んでいく泡を見てはしゃぐ涼と目が合えばなぜか近づいてくる。そんな向かい合うように目の前に座られると俺はやっぱり涼の体を見てしまう。
「………光生…そんなに見ないでよ……」
「ふふっ、じゃあ涼のことも泡でいっぱいにしてあげる。」
体を隠すくらいの泡をたくさんつければ嬉しそうに笑う。
「ほらこれで見えないから恥ずかしくないでしょ?」
モコモコの泡に包まれて勢いよく頷く姿があまりにもかわいくて目が離せないでいると涼はキスをしてくれた。
「へへっ、光生にちゅーしちゃった!」
どうやったらそんなかわいい顔ができるんだと思わず頭の中でつっこんでしまう。それにさっきからすることも言うことも全てがかわいすぎて心臓に悪い。こんなにイチャイチャしてくれるなら毎日一緒にお風呂に入りたいと俺は本気で考えてしまっている。
「光生って筋トレしてるの?」
俺の体を触るように手で洗う涼は呑気にそんなことを聞いてくるけどこの状況はどう考えたってやばい。まさか手で洗われると思っていなかった俺は平常心を保つのに必死だ。
「ん〜、まぁめんどくさい日はしないけど基本的に毎日するかも。」
「そうなの!?だからこんなに引き締まってるんだ!」
これは本格的にまずい。俺の気も知らないでベタベタと触ってくる涼の手を止めるにはどうすればいいか考える。
「……ほら交代。次は俺が洗ってあげる。」
「えー、だめ!まだ洗い終わってない!」
少し怒った顔をする涼は俺の膝に乗ってきて抱っこしている状態になる。
「……俺に洗われるのやだ?」
背中に腕を回され上目遣いでそんなことを聞いてくる涼に本気で照れてしまう。
「んーん、嫌じゃない。むしろすっごい嬉しいんだけど、、でもこのままじゃまた涼にいっぱい触りたくなるから困っちゃう。」
照れ隠しで涼の頭に泡をポンッと乗せるとそれが嬉しかったのか乗せた泡を触りながらキラキラした顔を見せてくれる。
「いいよ?触っても!」
同じように泡をすくい俺の頭に乗せて楽しそうにする涼にそっと触れると首を傾げている。きっといつものようにベタベタ触らない俺を不思議に思っているんだろう。
「本当にいいの?俺えろいこと考えながらすっごい触りまくるよ?」
「ふふっ、いつもなら聞かずに触ってくるのに今の光生なんか変だ!」
めずらしくだめと言わない涼のお腹を撫でるように触ると体を少し動かし笑っている。
「んふふっ!なんかそれくすぐったい!」
こんなに幸せでいいのだろうか。抱きついてくる涼に俺はもう耐えられない。お尻を揉むように何度も触ればさらにギュッと抱きつかれる。
「んっ……光生のえっち!」
「ふふっ、だから言ったじゃん。涼とのえろいこと考えながら触るって。」
手を移動させ脚をスルスルと撫でると涼は体を離した。
「これじゃ気持ちよくなって光生のこと洗えない……」
いじける涼が愛おしくて気付けば俺は何度もキスをしていた。
「ふふっ、俺の体の泡なくなっちゃったからまた涼に洗ってほしいなー。」
機嫌を取るようにほっぺたをツンツンとつつけば嬉しそうに頷き真剣に洗ってくれる。そんな涼がおもろしくてつい意地悪をしたくなる。
「ねぇ、ここは洗ってくれないの?」
涼の手をとり自分のものに持っていくとどんどん顔が赤くなっていく。
「さっきいっぱいイったから涼に洗ってもらわないとこのままじゃお風呂に浸かれないし持ってきてくれた入浴剤使いたかったのに残念。」
俺がわざとらしく悲しい顔をすると優しくて素直な涼は簡単に信じてくれる。
「光生……?」
「ん?なに?」
「………俺もいっぱいイったから一緒に洗ってもいい?」
そう言って自分のものをピタリとくっつけてくる大胆な涼に俺はまた必死に耐えなければならなくなってしまい深呼吸をした。
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