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第136話

光生のことが心配ですぐに部屋に戻ると窓を開けて外を眺めていてその姿に少しホッとする。戻ってきた俺に気づくと優しく微笑んでそばにきてくれた。 「ほら、髪そのままだと風邪引くから乾かしに行こ。」 また俺の心配ばかりして光生はいつも自分のことは後回しだ。手を引っ張りお風呂場に行こうとする光生に後ろから抱きつく。 「ごめんね、俺がお風呂でずっと話してたから光生がのぼせちゃったの気づかなくて、、」 一緒にお風呂に入れたのが嬉しくてつい時間も忘れてはしゃいでしまった。それなのに振り向いた光生の顔はやっぱり優しくてどこまでも俺に甘い。 「ふふっ、涼って本当鈍感だよね。」 「……なんかそれ前に星くんにも言われた気がする………」 「……は?星くんにも言われたって何の話してたときに言われたの?」 今の今まで優しかった光生はなぜか急にムスッとして俺に顔を近づけてくる。 「どうしたの急に、、なんか怒ってる?」 「怒ってない。俺の家に泊まりにきてあんなにえっちしたのに星くんのこと思い出してる涼に全然怒ってないよ。」 なんだそれは。完全に何かに怒っているしさっきからよくわからないことを言っていて俺の頭は混乱している。 「で、星くんになんでそんなこと言われたの。」 思考停止している俺に詰め寄るように迫ってくる光生に一歩ずつ後ずさりすればさらにグイグイと近づいてくる。 「わっ!!」 何かにつまづいた俺は気づいた時には後ろのベッドに倒れ込んでいた。そんな俺に覆い被さった光生は唇が触れるくらいの距離まで顔を近づけてくる。 「……光生?ちょっと降りてよ!」 「やだ。教えてくれるまで降りない。」 ていうかなんでそんなに気になるんだ。教えるもなにもはっきり思い出せないのに光生はじっと見つめて俺が話すのを待っている。 「えー、、なんだっけ、、確かマネージャーした時にリンゴジュースくれてそれを俺が光生がくれたジュースだからこれ好きなんだよねって教えた時に言われた気がするけど、、」 「……なにその俺が今すぐにでも許してしまいそうな話。」 「えぇ、、!?やっぱり怒ってるんじゃん!」 「そりゃそうでしょ。それでなんで鈍感って言われるの。どうせそのあと星くんがなんか言ったんでしょ?」 いや本当に忘れたんだけどこれは思い出すまで俺から降りてくれない気がして必死に思い出してみる。 「ん〜、、あっ!なんかそのあとカフェオレと交換しよって言われて星くんもリンゴジュース飲みたかったの?って聞いた時に言われた気がする、、ってなんでこんなことが気になるの!!」 「ふーん、なるほどね。」 なぜか納得したらしい光生は真剣な表情で何かを考えていてその顔に勝手にときめいてしまう。今、目が合えば絶対にドキドキしていることがバレてしまいそうでゆっくりと顔を横にそらせば、ベッドのシーツが綺麗になっていることに気づく。 「光生……シーツ変えてくれたの?ごめんね…俺いっぱい汚しちゃってたよね……」 きっと俺がまだお風呂に入っている時に変えてくれたのだろう。こうやってわざわざ俺に言わないところも優しくて気をつかってくれているのが伝わってくる。 「ん?あぁ、そんなこと全然気にしなくていいし謝んないでよ。」 「……光生優しすぎるし甘やかしてくれるしこのままじゃ俺ダメ人間になりそう。」 「あははっ、なにそれ!」 なにがそんなにおもしろいのか光生は大爆笑している。ていうかいつまで俺に覆い被さっているんだ。この近さに我に返り恥ずかしくなってくる。 「光生!教えたら降りてくれるって言ったじゃん!」 光生の胸元をグイッと押すと簡単にその手を掴まれてしまう。 「ふふっ、さっきここでえっちしたの思い出しちゃった?」 「ちょっ!!言わないでって!!」 焦る俺を見てニヤッと光生は笑う。 「ねぇ、あんな涼のえっちなところ星くんに見せらんないね?」 だからなんでまた星くんが出てくるんだ。光生は絶対に俺をからかって楽しんでいる。 「光生にしか見せないもん………」 いじわるな事を言う光生に拗ねるとなぜか嬉しそうに俺を見てくる。 「……やばい本当にかわいすぎる。」 いきなり舌を入れて激しいキスをしてくる光生はさっきまで怒っていたくせにいつのまにかご機嫌になったらしい。 「んぅっ!……っはぁ…光生ちょっとまって…」 完全に光生のペースでキスをされいつも通り息が上がる俺を見れば思いっきり強く抱きしめられた。

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