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第144話
「光生?まだ怒ってるの?」
あれから莉緒ちゃんは一緒にご飯を食べると眠くなったらしくリビングへと戻って行った。その後ずっと不機嫌な光生に話しかけてみれば見せつけるようにわざと拗ねた顔をしてくる。
「別に。俺とはおそろいのものないのに莉緒とはおそろいのものがあって嬉しそうにしてるなって思ってるだけ。」
「もうっ!そんなことで怒んないでよ!」
「は?そんなことってなに?ずっと莉緒にニコニコして俺にはそんな顔全然見せてくれないじゃん。」
次から次へとよくわからない不満を言い続ける光生はもはや何に怒っているのかよくわからなくなってきた。
「だって莉緒ちゃんすっごいかわいいし俺に懐いてくれるし、、」
「俺だって割とモテるし涼のこと超愛してるけど?」
いや割とではなく恐ろしいくらいモテるの間違いでしょと言いたくなるけど今はやめておこう。
「光生こっち来て……」
「やだ」
腕を広げてもフンッと横を向く光生はわがままばかり言う子供みたいで正直かわいい。俺から近寄れば薄目で睨んでくるけど無視してスウェットの首元を少し下にずらす。
「初めてするから上手くできるかわからないけど……」
「………え?」
光生の鎖骨辺りをちゅうっと吸ってキスマークをつけてみる。この前えっちな動画を見て覚えたのに実際にやってみると難しい。ゆっくりと唇を離すと少し赤くなっていてこれで合っているのかよくわからず首を傾げれば勢いよく抱きしめられる。
「わっ!ごめん、痛かった?」
なにも言わず首を横に振る光生の顔は見えないけどなんだかご機嫌な気がする。
「これ…光生とおそろいにしたいから俺にも同じところにつけてほしい……」
「………やばい本当に大好き。」
ゆっくりと押し倒されれば顔を赤くした光生の顔が一瞬見えた。すぐに俺の首元に顔を埋め同じところにキスマークをつけてくれる。
「涼の肌、白くて綺麗だから目立つね。」
「へへっ、これで光生とおそろいだ!」
「……なんでさっきからそんなかわいいことばっかり言うの。」
機嫌が直ったらしい光生は何度もキスをしてくる。
「ねぇ、またすぐに泊まりにきて。」
「んっ…わかったからちょっとストップ!」
そう言ったところで止めてくれるはずもなく結局俺が帰るまで光生はキスをし続けた。
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