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第189話
「ごめんね。また泣かせちゃったね。」
謝る光生は上半身まで押さえられていた脚をゆっくりと下ろすとギュッと抱きしめてくれる。
「…っ…やだっ…光生なんかもう知らないっ…」
本当は大好きだけどもっとかまってほしくて顔をそらしてしまう。光生の気を引くのに必死な俺は今日も困らせてばかりだ。
「ねぇ、ここ見て。ほらもう出てきてないよ。」
中をグリッと擦りながら泣きやまない俺を光生は優しくあやしてくれる。
「……やだ…見ないっ……」
「ふふっ、そう?残念。」
光生は残念と言う割になんだか嬉しそうだ。
「俺ね、涼と繋がってるところ見るの大好きなの。ひとつになれてることすごい実感できて幸せになる。」
拗ねてわがままばかり言って挙句の果てには泣いている俺に光生は一切怒ることもなければめんどくさがることもない。いつもその優しさに甘えてばかりではきっとだめだ。恥ずかしさに必死に耐えてゆっくりと目を向ける。
「わっ………」
この体勢からはちゃんとは見えないけどでも奥まで入っていることはわかる。初めて見たそのえっちな場所に興奮してしまう。
「ふふっ、見えた?」
優しく微笑む光生に胸がギューッと締め付けられる。
「ん……見えた……光生の入ってた…」
俺と光生だけしか見ていない場所だと思うとまた2人の秘密ができたみたいで嬉しい。
「じゃあ、今度鏡の前でする?そしたら涼のえっちできれいなところも全部見えるよ。」
光生のものを挿れている自分のお尻を見ながらするなんてそんなの絶対に耐えられない。ブンブンと顔を横に振ると光生は楽しそうに笑ってくれるからつい見惚れてしまう。
「ふふっ、やっとこっち向いてくれた。」
そんな幸せな顔をされると嫌な態度を取ってしまった事を後悔する。それなのに光生は気にしていないのか緩く腰を動かしたまにキスをしながら気持ちよく中を擦ってくれる。
俺が何度もイってるからこれ以上負担がかからないようにゆっくりしてくれていることが痛いほど伝わってくる。ずっと繋がっていたいと言ったことを覚えてくれているのか少し動いては止まって俺のペースに合わせてくれるところなんて大好きにならないわけがない。
「光生ありがとう……さっきはひどいこと言って本当にごめんね……」
「ふっ、なんのこと?」
俺に気をつかわせないためかとぼける光生は優しさを見せつけてこない。それから何かを話すわけでもなくお互いの吐息だけを聞きながら何度もキスをして求め合う。
いつもとは少し違うえっちにキュンキュンしていれば光生と目が合い「ふふっ」と嬉しそうに微笑んでくれる。
「光生……」
「ん?」
実はずっと気になっていたことがあって今聞いてもいいのかわからないけど少しでも安心する言葉が欲しくて恐る恐る聞いてみる。
「……女の子と食べたご飯おいしかった?」
「ご飯?」
勇気を出して聞いたのにきょとんとする光生は覚えていないのだろうか。
「俺が星くんの家にゲームしに行った日、、帰りにご飯食べてきたって言ってたじゃん、、」
「え?あぁ、そういえばご飯行ったね。」
そういえば行ったねってなんだ。悪びれる様子なんてものは一切無くだんだんむかついてくる。
「やっぱり!俺と付き合ってるのに浮気だ!!」
「ふふっ、浮気なの?でもお互い一切そんな気持ちないんだけど。」
「そんなのわかんないじゃん!光生はなくても相手の子は絶対にあるに決まってる!」
光生は俺だけに優しくしてるといつも言ってくれるけど無自覚にいろんな人に優しくしている。自分では気づいていないだけだ。
「……なんか勘違いしてない?ご飯行ったの夢とだよ?」
「え?夢ちゃん?でもその日女の子たちと一緒に教室出て行ったもん!」
「いや、一緒にと言うよりは周りにいただけだしすぐに夢が来て強制的にご飯に連れて行かされたから。」
そんなことで俺のことを騙せると思っているのなら大間違いだ。
「あ、これその時の写真。ハンバーグに唐揚げにデザートまで頼んでるのやばくない?後で涼に見せようと思って撮ったらすっごい怒ってきたの。」
「……夢ちゃんだ、、かわいい、、」
ベッドに置いてあったスマホを取り写真を見せてくれる光生は本当に夢ちゃんとご飯に行ったらしい。
「これじゃまるで私が大食いみたいでさくらちゃんに引かれちゃうから写真絶対見せないで!って怒ってたんだけど、いつでもどこからどうみても大食いじゃんね。」
ケラケラと笑う光生はやっぱり夢ちゃんのことが大好きなんだなと微笑ましくなると同時に俺は勝手に勘違いをしていたらしく怒ってしまって申し訳ない気持ちになる。
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