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第213話 光生side
長い期間に耐えやっと涼が泊まりにくる日がきた。星くんの部活が終わる頃に体育館に迎えに行くと嬉しそうに走ってくる。
「光生!ちょうど今終わったんだよ!グッドタイミング!」
「ふふっ、ご機嫌さんだね。」
今日もひたすらにかわいい涼が今から泊まりにくるなんて考えただけで幸せだ。荷物を取りに行った涼をぼんやり見ていれば目の前に俺の敵が現れる。
「なんで夢がいんの。てかなんでそんなにニヤニヤしてんの?」
「そりゃマネージャーだからいるでしょ!」
言っとくけど涼と2人で遊んだことをまだ許してない。だからその偉そうな態度を改めてほしい。
「じゃあそのニヤニヤは何?きもいんだけど。」
さっきから俺の顔を見てニヤニヤと笑う夢は何を考えているのかわからず怖い。
「別に?今からさくらちゃんがかわいすぎて椎名すっごい大変だろうなって思ってるだけ!」
「は?今から?」
意味のわからないことを言い残しヒラヒラと手を振ってどこかに行った夢は一体なんだったんだ。
「光生ごめん!おまたせ!」
「ん、帰ろっか。荷物持つよ。」
「だめだよ!重いから自分で持つ!」
だから俺が持つのに。お泊まり用に持ってきていた荷物を奪い取り歩けば横に並んだ涼は照れくさそうに少し近づいて俺の袖をキュッと小さく握る。
「……ありがとう、、光生いつも優しい、、」
はぁ、早く家に連れて帰りたい。それで俺の膝に座らせて今日はずっとイチャイチャするんだと心の中で勝手に決める。
「光生!ケーキ買って帰ろう!」
「ケーキ?食べたかったの?」
言ってくれてたら買っておいたのに。
「うん!光生の誕生日ケーキ食べてなかったから!でもこの辺ケーキ屋さんないからコンビニになっちゃうけど、、」
誕生日からもう何日も経っているのにまだお祝いをしてくれるらしい。
「ふふっ、ありがとう。俺コンビニのケーキ大好きだよ。」
「そうなの!?光生はショートケーキよりチョコケーキの方が好き?」
チョコレートが好きと1回言ったことをずっと覚えてくれているらしい。本当はどっちも好きだけどワクワクしながら聞いてくる涼がかわいくて、そっと頷く。
「うん。チョコケーキの方が好き。涼はどっちが好き?」
「俺はどっちも好きだよ!選べない!」
俺には選ばせといてどっちも好きなんてずるいところもひたすらにかわいい。コンビニに行き会計を済ませお店を出れば涼は不機嫌な顔で睨んでくる。
「もう!俺が払いたかったのになんで光生が払ってるの!?」
「ふっ、いいじゃん別に。」
俺が涼に払わせるわけないしお菓子を見ていた隙に内緒で会計をしたことに怒っているらしい。
「ほら着いたよ。早く上がって。」
いつまでも怒っている涼の背中を押して無理矢理に家に入れる。
「お、おじゃまします、、ってまだ話終わってないから!」
「はいはい、ごめんね。涼が買いたかったよね。」
「なにその言い方!なんかむかつく!」
そんなに怒っても俺からすればただかわいいだけなのに。
「あれ?莉緒ちゃん達はもう行ったの?」
「あぁ、莉緒は涼のこと見ると離れなくなっちゃうからね。」
「そっか、残念、、会いたかったなぁ、、」
さっきまで怒っていたのにコロコロと変わる表情は俺のことを夢中にさせる。
「あっ!光生!ケーキ食べよう!」
いややっと部屋で2人きりになれたんだから少しだけでも触らせてほしい。でもキラキラした顔でテーブルにケーキを並べている涼にそんなこと言えない。
「光生の誕生日だから今日は食べさせてあげる!それにしてほしいことなんでも言って良いよ!」
そんなこと言われたら本当になんでも言ってしまう。でもきっと俺と涼では考えていることが違う気がする。
「なんでもって?例えば?」
「ん〜、疲れたからマッサージしてとか!ゾンビ怖いから手繋いで寝てとかなんでもいいよ!」
「ふっ、なにその俺の召使いみたいなの。」
ほら、やっぱり。俺のしてほしいことなんてえろいことばっかりできっと涼の頭の片隅にもない。
「じゃあ疲れたから涼が癒して。」
冗談でそのまま涼のことを押し倒す。きっと怒るんだろうなと思いながら制服のボタンを一つずつ外していくけど一向に抵抗してこない。
「わっ………光生……もうするの…?」
もうなんて言われると涼も今日えろいことをするつもりでいてくれてたのかななんて俺は都合のいいように解釈してしまう。
「だめ?」
「だめじゃないけど……ケーキ……」
きっと涼は誕生日を祝って俺のことを喜ばせたいのだろう。その純粋で優しいところが大好きだから俺はいくらだって触ることを我慢できる。
「ふふっ、ごめんね。一緒にケーキ食べてくれるんだもんね。」
グイッと起き上がらせると涼はなぜか恥ずかしそうに俯く。
「ん?どうしたの?」
黙ったままの涼は俺に近づきテーブルに置いてあるケーキの生クリームを指ですくう。
「光生、、これ行儀悪いから1回だけね、、」
「………え?」
そう言って涼ははだけたシャツを自ら広げ生クリームを自分の乳首につけた。
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